>連載「脳が悦ぶ、アナログゲーム」を最初から読む グラグラ揺れる丸木橋を渡ったり、ゴツゴツした岩場から水面に飛び込んだりなど、アウトドアレジャーにちょっとしたスリルを求めたくなるのは、少年の心を抱くオッサンたちの業というもの。
アナログゲームのような室内遊びでは、そうしたスリルを味わえないのでは? と思っている人も多いだろう。
そこで紹介したいのが、昨年末に発売された新感覚のトーキングゲーム『
完全爆弾解除マニュアル:Keep Talking and Nobody Explodes』。デジタルとアナログの良さを融合したユニークなシロモノだ。
刑事ドラマやアクション映画で観た「爆弾解除」のスリルと興奮を、リアルに体験できるほか、家族や仲間、そして夫婦のコミュニケーションを深めるためにも役立つ、このゲームの魅力をレポートしよう。
「分析」と「処理」の2役で爆弾解除を目指すシミュレーションゲーム
「赤いコードと青いコード、どちらを切断するんだ??」という、このセリフだけでシーンが脳裏に浮かんでしまうほど、メジャー(?)な存在となっている「爆弾解除」。
本物の爆弾に触れてみたいかどうかは別として、特に男性ならば一度はそのスリルを味わってみたいと思ったことがあるはずだ。
そうしたニーズに応え、これまでも「爆弾解除」をテーマにしたゲームは、いくつか登場しているが、この『完全爆弾解除マニュアル』は、その“リアル”さにおいて、突出した存在といえる。
最大の特徴となるのは、協力しながら爆弾解除を目指すゲームのシステムだ。実際にNintendo SwitchまたはPCを用いて画面上で爆弾を操作する「解除担当」と、“マニュアル”を参照しながら、解除担当に指示を与える「分析担当」という2役に分かれる。
ゲームソフトを入手したら、まず行うのは指定されたURLから「爆弾解除マニュアル」を印刷しておくこと。「分析担当」は、このマニュアルを読みながら、解除担当に手順を指示する。
思い出してみれば、確かに刑事ドラマでもアクション映画でも、(たいていは遠隔地にいる)パートナーと喧々諤々のやり取りをしながら、爆弾解除を行うシーンが圧倒的に多かったもの。
1人プレイでは、単なるパズルゲームになってしまうところを、協力プレイにすることで、よりリアルな爆弾解除のシミュレーションゲームへと昇華させた、というわけなのである。
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