ポイントは「会話力」。グループで遊ぶとよりエキサイトする!
「爆弾を解除する」という、誰もが知っているシチュエーションだけに、ゲームの基本ルールを理解するのは、とても簡単だ。
解除すべき仕掛け(モジュール)の扱い方や、爆弾全体を回転させたりする操作方法には、若干の慣れが必要だが、Nintendo Switchで遊んだ人ことがあれば、すぐに理解できるはず。
チュートリアルも用意されているので、初心者でも容易に「解除担当」になれるだろう。
一方で重要な役割となるのが「分析担当」だ。手元の解除マニュアルを参照しながら、爆弾に取り付けられた仕掛けを解除する正しい方法を、「解除担当」に的確に指示していく。
ただ、ここでポイントなのが、この際、互いに相手の手元(ゲーム機本体と解除マニュアル)を見てはいけない、というルールがあること。
そのため、「分析担当」は爆弾にどんなモジュールが装着されているのか、モジュールの状態はどうなっているのか、といった解除に必要な情報の入手や指示出しを、すべて「会話」に頼って行わなければならないのだ。
この「会話」が、ゲームのスリルと面白さを演出する最大のポイントだ。
分析担当「ワイヤーの数は何本?」 解除担当「5本ある」 分析担当「いちばん下のワイヤーの色は?」 解除担当「黄色」 分析担当「なるほど。じゃあ、赤色のワイヤーはある?? だとしたら上から3番目のワイヤーを……」 ……というように、モジュールの解除方法を特定していくのだが、ワイヤーの色や数のように、表現しやすいモジュールばかりではないのが、やっかいなところだったりする。
分析担当「パネルにはどんな模様が描かれている?」 解除担当「ミミズっぽいやつ?」 分析担当「“ミミズっぽいやつ”って、3種類あるんだけど??」 解除担当「じゃあ、苦しんでるミミズみたいな?」 分析担当「なにそれ(怒)!」 なんて、不明瞭なやり取りをしているうちに制限時間となり大爆発……というケースもしばしば起こってしまう。
チュートリアルや初級編だと、制限時間は3〜5分。その間に3〜5個ほどの仕掛けを解除しなければいけないのだが……。
実際にプレイしてみると、会話が通じないもどかしさが生み出す緊迫感はかなりなもの。それだけに、見事解除できたときの達成感や一体感も大きく、思っている以上に刑事ドラマやアクション映画の登場人物になったような気分を味わうことができた。
よりスリリングな展開を求めるなら、互いの姿がまったく見えないように、別の部屋に分かれ、電話で「会話」を行うのもアリだろう。
また、子供を「解除担当」に任命すれば、もどかしさが数段アップするほか、子供の描写力や説明力を高める効果も期待できるかもしれない(とはいえ、解除に数学的な知識が求められるモジュールも多いため、小学校高学年以上でないと難しいはず)。
大きく言えば「ごっこ遊び」にも近い存在といえるこのゲーム。雨の日の室内遊びを、みんなでキャーキャーと愉しみたいなら、ぜひ挑んでほしい。
石井敏郎=文