安心感があって使い勝手のいい定番カラーに頼りきり。代わり映えしないそんな退屈なファッションに陥っていない?
優しく軽やかなムードが漂い、目にも涼しげな夏色で季節を味わう。そういう楽しみ方をできる大人って、センスが良くて粋だよね。
シンプルなデザインで魅せる!印象の決め手は柔らかく繊細なカラー
AURALEE オーラリー
東京都&繊維ファッション産学協議会が主催のファッションコンペで東京を代表するデザイナーに選出。その支援を受け、この春にパリコレデビューも飾った岩井良太さん率いるオーラリー。まさしく今の東京を象徴するブランドで、男性はもとより女性の間でも多くのファンを虜にしている。その洋服にはわかりやすいハデさやキャッチーさではなく、着るだけでさりげなくセンスが良く見える不思議な効能がある。
「品がありながらも背伸びをしない、等身大で楽しめるお洒落を意識しています。オーラリーという名は、覚えやすいシンプルな響きが気に入ってアメリカの民謡から取りました。語源は諸説あるようですが、“光る土地”という意味を見かけて。夜のファッションではなく、陽の当たる場所が似合う、そんなアイテムを提案したいという想いも込めています」。
ブランドの魅力を語るうえで挙がるのが、糸から開発することもあるというオリジナルのテキスタイル、そしてパタンナー出身の氏が描き出すフワリとした美しいシルエットだ。これらに加えて、ほかでは見ることのない柔らかく繊細な色使いにもオーラリーならではの魅力を感じるのだ。
「最低限のシンプルなデザインで魅せているブランドなので、そのぶん、印象を大きく左右するのが素材とシルエット。そして色もまた、とても大切にしている要素です。シーズンごとの気分を色に投影して、微妙なトーンの違いで、そのニュアンスを表現しています。世の中の定番色であるベージュでも、黄みが強いか、赤みが強いか、彩度や明度、濃度。ほんの少しの違いで表情は随分と変わります。特にシーズンテーマは設定していませんが、そのときの気分を色に反映します。例えば今季であれば、ホワイトを中心とした淡いトーン。そこにミントカラーやグリーンが挿し色になったコレクションです」。
テキスタイル、シルエット、カラーが三位一体となり、着るだけでセンス良く見える。今夏挑戦するべきは優しい色を纏うオーラリーのパンツ、これで間違いはないはずだ。
話を聞いたのは、この人!オーラリーのデザイナー 岩井良太さん1983年生まれ。さまざまなブランドでパタンナーやデザイナーとして辣腕を振るい、2015年にオーラリーを立ち上げる。瞬く間に人気に火がつき、この春にはパリコレ初進出を果たした。
さりげないアイキャッチになる、長めのウエストコードを備えたイージーパンツ。最高級・最上質の超長綿であるエジプト産のフィンクスコットンを用いた高密度のツイル地は、しっとりとしたタッチ、上品な光沢、しなやかなドレープなど、まるでシルクのようである。
それをあえて裏使いした、ツルスベの表面が肌に触れる気持ち良さは格別なものがある。そこへキレイに落ちるゆったりしたシルエットと、ベージュがかった少しくすみのあるライトピンクが合わさり、装いに優しいムードを添えてくれるのだ。
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