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すべてが遊び。父と娘の“キャンプ哲学”


そんな山中さん親子だが、どんなスタイルでキャンプを楽しんでいるのだろう。さぞかしコアな遊び方をしていると思いきや、意外な答えが返ってきた。

「遊び方については、毎回ほぼノープラン。特別なこだわりはないですね」。

もちろん、子供用のトレーニングバイクを持ち込んだり、虫取りや、シャボン玉などの小道具で子供と戯れたりすることはある。だが、キャンプならではの遊びをしよう、と意識することはない。



「キャンプのいいところは、何物にも邪魔されずに親子の時間を過ごせること。家だとテレビとかゲームとか、子供をまどわす“誘惑”が多いじゃないですか。キャンプ場なら余計なものはない。そのシチュエーションが大切なので、遊び方は何だっていいんです」。

そのため、キャンプの遊び方は「家遊びの延長でいい」という。そもそも、山中さん親子にとっては「遊び方」という感覚すらあまりない。

「キャンプはすべてが遊びなんですよ。出発前の積み荷、テント設営、調理、撤収……これらの作業も、子供たちとの遊び・コミュニケーションだと思って楽しみます。頭ごなしに指示も出さない。テントなら『どんな向きに建てようか?』とあえて相談することで、立地や風向きを考えさせます」。

何もかも親の手で用意せず、子供にも役割を与えて楽しむ。自らつかんだ答えは、子供をひと回り成長させてくれるもの。結菜ちゃんはいまや、父と遜色ない手際でテントを組み立てるほどの頼もしさを身につけている。




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