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2018.06.26

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壮大な海のストーリーに魅せられる、セイラーたちの愛読書3選

海にはやっぱり、壮大なストーリーがある。海をテーマにした小説やエッセイは、それこそ星の数ほどある。それだけ、世界には海好きが多いということだ。

今回は、日本のセイラーが好んで読むという、ヨットレース、海のエッセイ、冒険という3タイプの著書を選んでみた。

 

『星と舵』
石原慎太郎 著 河出書房




著者が、長い間、自艇を駆って、ヨットレースに参加し続けていたことは有名な話。

この小説は、実際に著者が、俳優であった実弟とともに、ロサンゼルスからホノルルまでのヨットレースに参加したストーリーを軸に、参加艇のクルーたちを取り巻く人間模様を描いている。

当然、ヨットレースの場面は臨場感に溢れているのだが、興味深いのは、1960年代の若者たちの主張、ライフスタイル、ファッションなどまで描かれているところである。

 

『はきなれたデッキ・シューズ』
田辺英蔵 著 集英社




海にまつわる軽妙洒脱、ときには辛辣なエッセイ集。

書き手の田辺英蔵さんは、日本のスキューバダイビングの草分けとして著名。ダイビングを満喫するためにヨットを建造し、「蒼龍(そうりゅう)」と名付け、自ら潜水母艦という愛称で呼んだ。

「はきなれた紺のデッキシューズにはきかえた時、不意に沸き起こる胸のときめき。ああ、俺は海の男だ、今、俺は海へ出かけて行く」、という後書きにある一節が、海の男としての生き様を物語っている。

 

『十五少年漂流記』
ジュール・ヴェルヌ 著 波多野完治 訳 新潮文庫 432円




SF作家として著名なフランス人作家、ジュール・ヴェルヌが書いた冒険小説。

生涯に約60冊の小説を書いたとされるが、『十五少年漂流記』は、1888年に上梓され、最初の日本語訳が出版されたのは1896年(明治29年)。

この新潮文庫は、読みやすく、地図なども工夫し、戦後に新訳されたものである。漂流したどりついた無人島で共和国を作り、団結すれば、少年たちだけでも立派な政治ができる、というところがユニークである。

海と本に関する、先輩セイラーからちょっとした小話。セイラーを目指すなら、知っておいて損はないぞ!

鈴木 勝、中村剛司(舵社)、山岸重彦(舵社)、上仲正寿、瀧 学=写真

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