感性のままに選ぶ。すると自然に、“相棒”と巡り会える
ちなみに、他に選び方のポイントは? そう聞くと、実に“らしい回答”が返ってきた。
「楽器屋さんを訪ねて、心惹かれたウクレレを選ぶのが一番です。結局は洋服と同じで、自分から手に取ったものしか使わなくなるんですよ。ただ、楽器屋さんに行くと『1を聞いたら10返ってくる』くらい詳しいスタッフがいるので(笑)、心強い反面、感性のままに選びづらい部分もあるかもしれません。自信を持って好きなものを選びましょう」。
予備知識は大事だが、ウクレレにはそれだけでは語れない魅力がある。肩の力を抜いて、自分の感性に耳を傾ければいい。自然と“相棒”は見つかるはずだ。
いつか2台目、3台目を入手したくなったら、ビルダー製のウクレレにステップアップするのもいい。ビルダーとは、ハンドメイドのウクレレを作る職人のことだ。音の質はひと味違うし、使い込むうちに故障しても臨機応変に修理してくれる。
「デザインをオーダーメイドできるのも魅力ですね。好きな木材を使ったり、ヘッドにイニシャルの刻印を入れたり。スクールに通うパパさんの中には、ビルダー製のウクレレを奥さんにプレゼントした人もいて。ヘッドに猫のアイコンを入れて、すごく喜ばれたみたいですよ」。
シェイカー、ピアニカ、そして……。ウクレレをより楽しくするアイテムたち
さらにLina Linaさんは、親子ウクレレをより楽しくするアイテムも教えてくれた。
「シェイカーなんていかがでしょうか。子供はウクレレを弾いて、パパはシェイカーを振る。ボディを叩いてリズムをとる打楽器でもあるウクレレは、同じようにリズムをとるシェイカーと相性ばっちりです」。
陽気なウクレレセッションが、ひときわ賑やかになりそうだ。選曲は、『幸せなら手を叩こう』のようなマーチ曲がハマる。
「トイピアノやピアニカもおすすめです。学校で子供がピアニカを習っていたら、課題曲を弾いてもらって、パパはウクレレを演奏する。新たなスタイルのセッションになります」。
楽器だけではない。最後に教えてくれたのは、意外ながらも納得の“アイテム”だ。
「美味しいコーヒーとお菓子、お気に入りのキュートな椅子。そこに澄んだ空気もあったら最高ですね。リラックスできる環境が、ウクレレをより楽しくしてくれるんです」。
気負わずに楽しめるのが、ウクレレの魅力。アイテム選びも肩の力を抜いて、気の向くままに決めればいい。その先には、お気に入りの相棒を手にしたウクレレライフがあるはずだ。
佐藤宇紘=取材・文
小島マサヒロ=撮影