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救急病院にいつも小児科医がいるとは限らない。


初産であれば、親も子育てビギナー。もちろん赤ちゃん自身は意思表示ができない。そういう状況で、突然の体調の異変や不意の怪我などはよく起こることだ。当然かかりつけの医者や、救急病院はチェックしてあると思うが、見落としがちなのは「その救急病院に小児科医が在勤しているか?」だ。

小児科をメインとしている救急病院が近くにあれば良いのだが、地域によっては、日によって内科医が担当する病院もある。何かあったときに救急車を呼んで、あとは救急隊員にまかせるというのではなく、やはり、自分たちで応急処置の方法を学んでおいたり、救急車以外の選択肢を意識しておく必要もあるだろう。

例えば、一部自治体には子供の救急相談を受け付ける電話窓口がある。また、日本小児科学会が公開している救急対応のQ&Aサイトなども何かのときに便利だ。

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厚生労働省が案内する地方自治体の「子ども医療相談事業」一覧
www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html

「こどもの救急」(厚生労働省研究班/公益財団法人 日本小児科学会監修)
http://kodomo-qq.jp/


子供を医者に見せるタイミングというのは難しい。過度に心配して、医者に迷惑をかけたくないなんて繊細なオトーチャンもいるかもしれない。そうであればこそ、「自分たちでできること」を備えておきたい。

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赤ちゃんを連れた旅行は荷物が2倍、移動時間も2倍


一般的には2歳児までであれば海外旅行の航空運賃がかからないことが多いので「今のうちに海外旅行に!」と考えるオトーチャンズもいることだろう。免疫力も発達段階で慣れない環境に不安の多い乳児を遠くに連れて行くことについては賛否両論はある。ここでは、「それでも行く!」と決意するオトーチャンズに心得ておきたいことを紹介しよう。

赤ちゃんとの旅行の盲点は、想像以上に荷物が多いこと。替えのおむつや哺乳瓶など普段の生活をするための品々は、家にある分には気にならないがひとつのスーツケースに詰め込んでみると相当な物量であることに気付くはずだ。当然、これら一式を持ち込む必要があり、長期になるほど荷物はかさむ。そのうえで自由の効かない赤ちゃんを抱えて移動するのだ。

大きなスーツケース、畳んだベビーカー、自分たちの手荷物、そして赤ちゃん。想像するだけで移動のしんどさがわかるだろう。重くてかさばる荷物を持って移動することは事故のリスクも伴う。なるべくクルマで移動したり、荷物を事前に送ったり、現地調達する品を増やすなど、多少お金はかかってでも安全な移動を心がけたい。
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移動時間も、思ったより長くなると考えておいたほうがいい。通常の交通機関の移動経路でかかる時間に加え、駅でのエスカレーター待ちや、移動途中でのおむつ替え、急に泣き出したときの対応など、道中は大人だけで移動すること以上の手間と時間がかかる。

これは普段の生活でも分かっていることだとは思うが、旅行となると、そこに重い荷物が加わるのである。両手にバックを持ち、抱っこひもで赤ちゃんを抱え、ともなれば、歩く速度もいつもの2分の1だ。常に時間に余裕を持った旅行計画が必要だろう。

子供が生まれて性格が優しくなったり、思いやりを持てるようになったオトーチャンズ。そんな自分に酔ってしまいがちだが、せっかく芽生えたその目線をもっと磨いてほしい。そうすることで、見落としがちな子供たちの苦労を回避できるかもしれないのだ。

島崎昭光=文 asacom.=イラスト

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