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■クリケットとはいかなるスポーツか


そもそもみなさん、クリケットというスポーツをご存じか。英国に古来から伝わる競技で、国際規格のフィールドは横が約140m、縦が約130mの楕円形。その中央に「ボウラー」(要は野球におけるピッチャーだ)と「ストライカー」(バッターですね)が対峙し、ボールを投げて打つ。



ボールはコルクを芯にウールや皮を巻きつけた非常に硬いもの。バットはボートのオールみたいにグリップが細く、先端が平たく広がっている。



フィールドの中央には20.12m離れて2基の「ウィケット」と呼ばれる装置が置かれている。上の写真のストライカーの後ろに見えるのがそれ、球を投げるボウラーの側にももう1基ある。本来はこの3本柱の上に、小さな板を1枚横たえてある。

この3本柱にボールを当てて、その板を落とすのが守備側の目的。攻撃側は板を落とされないように、ボールを打ち返すのだ。打ち返してボールがフィールド内を転々としているあいだ、ストライカーは、対面して待機している相方のノンストライカーと共に2基のウィケットのあいだを走る。



ふたりが向かい側のウィケットまで到達すれば1点獲得。ボールが返ってくるまで何往復でもできる。攻撃側がウィケットのところに到達するまでに、ウィケットを倒せばアウト。打者交代となる。細かいルールは割愛するが、野球はスリーアウトで攻守交代、9回まで戦うのに対し、クリケットの場合は10アウトか規定の投球数を投げ終わるまで(ゲームの設定によって異なる)。攻撃は攻撃、守備は守備。いわば1回の表裏しかないという設定なのだ。あと、上の図は楕円形のフィールドの中央にあるので、前後左右360度どこに打っても構わない。

楕円形のフィールドの外周をゴロで越えれば「バウンダリー」。一挙に4点が入る。ライナーで越えれば「シックス」。文字通り6点獲得。

「野球で培ってきたスキルは基本、役に立つんですが、どの方向に打ってもいいのは、戸惑いますね。ファウルがない感覚にはなかなか慣れないです」

クリケットの競技人口は軽く1億越え。インドでは最もポピュラーなスポーツで、世界最高のインドプレミアリーグのトップレベルの選手は年俸30億円以上とも言われている。その他にクリケットが盛んな国々は、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランドなどなど。



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