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『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイン・アニメーションディレクターを務めた安彦良和氏の大ヒットコミックス『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』がアニメ化され、5月5日から第6話「誕生 赤い彗星」が全国で上映されている。
シャア・アズナブルとセイラ・マスという兄妹の流転の人生、開戦への道筋、モビルスーツ開発史といったガンダムの前日譚を、安彦氏が骨太の筆致で描き切った。アニメでは安彦氏が総監督を務める。
本作の魅力はそのストーリーもさることながら、驚異的なクオリティの作画抜きには語れない。誰もが「描くのが難しい」と指摘する安彦氏の絵が見事に再現されている。今回は、安彦氏と共同でキャラクターデザインを行ったことぶきつかさ氏、総作画監督の西村博之氏、メカニカル総作画監督の鈴木卓也氏、プロデューサーの谷口理氏、および安彦氏が一堂に介し、作画面での苦労について語ってもらった。
漫画の絵柄を忠実に再現
――『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では安彦良和さんの漫画の絵柄が忠実に再現されています。いろいろな人が手分けして描いていらっしゃるのでしょうが、総監督の安彦さんから見て、「よくここまで俺の絵を再現したな」あるいは「自分の絵とちょっと違うな」どちらでしょうか? 安彦:僕が現役だったときには、「あなたの絵は描きにくい」って散々言われたので、第1話ができたときに、「奇跡的に安彦の絵が再現されている」と言われて、うれしかったんですよ。だからスタッフのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
このあいだ第1話から第5話までのオールナイト上映を見たら、第1話よりもだんだん良くなってる。これ総作画監督の西村博之さんはどう思っているのかな。俺の口から言うのもどうかなと思うけど、みなさんキャラ慣れしてきてるよね?
西村:それはあると思いますね。あと、やっぱり安彦さんの絵も変わっているので。(一同笑)
安彦:そうなの? この年になると変わらないと思うんだけど。
西村:変わることがすごいことです。全体的にキャラクターがおとなっぽくなってきた。
ことぶき:初期の安彦さんのキャラクター設定は「アニメの設定ってどうやるんだっけ」みたいな探りがあった気がするんですけど。後半はすごく慣れて、自然に描かれているなぁという感じはしました。
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