何かと世知辛い世の中だ。OC世代ともなれば、仕事場でも家庭でもきっと、ストレスを感じるときだってあるだろう。だからこそ、せめてオシャレで息抜きを。
見られていないようで見られているTシャツやスウェットの柄やロゴ。ストレートなメッセージも、洒落たフォトプリントやアート柄も悪くないが、ちょっとだけニヤリとさせるユーモアを湛えたものが気になる。
サブポップ×ビームス
ボブ・サップではない。ニルヴァーナ、ソニック・ユースを輩出し、’90年代を席巻した胸熱レーベルを今再び。
バナナ・リパブリック
バナナ・リパブリックによるセルフパロディともいえる1枚。ひと皮剥けたデザイン!?
ザ・ノース・フェイス
海の防波堤や川の欄干。度胸試しに飛び込んだ少年時代の記憶が蘇るような気が。
チャリアンドコー
これも我々の郷愁を誘う、懐かしの「6段変速ギア」をプリント。
ヒステリックグラマー
ロックやポップカルチャーを独自の解釈で表現するヒステリックグラマーのスウェット。モックネックでベロア素材という、レトロスポーティな感じがいい。もちろん目がいくのは胸元で、実にアメージングな攻め方である。元ネタはもうわかるだろう。何かと世知辛い世の中だからこそ、こうしたパロディが気持ちを和ませてくれる。ほら、ペロリと舌を出して「笑って許して」と言ってるじゃないか。
パロディ、オマージュ、本歌取り。その多くは元ネタに対する敬意や愛情が織り込まれたものだ。音楽やアートはもちろんファッションも然り。そもそも元ネタに存在感があるからこそ引用されるわけで。
中村利和(BOIL)=写真 松田有記=スタイリング