似合うシャツを厳選して、通勤服も楽しむ。スポーツで汗をかくのも好きだし料理に挑戦する週末も好きだ。
馴染みの店は近所のベーカリーから老舗のバーまで。そんな振れ幅のあるオーシャンズ世代の日常に、きっとフィットする10のアイテム。その前編をお届け。
「フレッド」のフォース10 ブレスレット
土曜、AM9時。オトコとオトーチャンの境界線。
コーヒー1杯で朝メシを済ませていたときもあった。今じゃ週末限定だけど、家族分のトーストと目玉焼きまで作るようになったりした自分。エラい。そんな家族志向スイッチが入る土曜の朝もキライじゃないけど、気の抜けたオッサンにはなりたくない。
そんなポリシーを、「フォース10」のビビッドカラーのブレスレットが後押ししてくれる。さりげなくダイヤモンドがきらめくヨットのシャックルモチーフは、品格と遊びゴコロを兼ね備えている。大人好みの上質さはそのままに、親しみやすい陽気なカラーで家族ウケは上々、と。オトコとオトーチャンの境界線、これがジブンの生きる道なんだな。
「ブルックス ブラザーズ」のボタンダウンシャツ
お洒落と歩んだ200年の最適解。
オーシャンズ世代なら、一度は味わったことがあるだろう。上質のシャツに袖を通したときの特別な感覚。ボタンを首まできっちり閉めて、背すじがピンと張るような緊張感。シャツを着ることが毎日のルーティーンになった今、昔味わったそんな感覚を忘れてはいないか?
昔よりも体格にちょっぴり貫禄が出てきて、それを着て出かける場面も増えたのに。そう、今こそあの特別な感覚よもう一度。今年でブランド設立200周年を迎えた老舗「ブルックス ブラザーズ」が誇るボタンダウンシャツを新調しよう。アメリカ歴代大統領やハリウッドスターが身を包んできた、伝統と歴史という価値。いつかの憧れが、ようやく板についてきた自分に出会えるはずだ。
「ハイダウェイ」のシャツ
面倒くさがり男子を救済せよ。
やがて来る暑い夏。Tシャツ一辺倒で毎日過ごすのも芸がないけどれ、手入れが必要な服を着る気合は毛頭ございません。なんていう面倒くさがり男子にちょうどいいシャツを発見。ドライタッチな肌離れの良さでシワができない素材感ゆえ、洗いざらしを着られるという小難しくない1枚でござい。
ひと捲りでサマになる7分袖や自在に立てやすいワイヤー入りの襟、さらには羽織りとしてもバランス良くキマる丈感が、簡単にこなれ感というものを出してくれる。清涼感たっぷりなストライプ柄が、無難な無地コーディネイトに変化をつけてくれるのもうれしい。ワードローブへ一点投入すれば、少しだけいつもと違う夏を迎えられるかもしれませんよ。
「ルトロワ」のボーダーニット
ただのオジサンになりたいか? それとも素敵な……。
ボーダーは、きちんと感のあるストライプと違って、カジュアルを印象づける柄。こちら「ルトロワ」のニットも然り、気取らない見た目で、しかも柔らかコットン100%の超絶コンフォタブルときた。だけど、ただのリラックスウェアと侮るなかれ。
肌に付かず離れずの細身シルエットで、近頃ちょっとユルくなってきた胴回りを、さりげなくスタイルアップしてくれる。首回りと肩が無地であることですっきりと見え、スタイルにメリハリを出すといううれしい効果も。お馴染みのボーダートップスとはいえ、「横縞ならなんでもいい」なんて考えとはオサラバを。ラクとラフを見分けたアイテム選別が大事ってワケね。
「フランク&アイリーン」のシャツ
遊び上手じゃなくても、休み上手にはなりたい。
頭の中をカラッポにしてビールを飲んだり、のんびりと旅に出たり。自慢できる趣味はないけれど、そんな過ごし方の休日が好きだ。なぜって、思考がどんどんシンプルになるから。袖を通すのは、昨日までのモヤモヤとか執着をリセットし、心まで着替えるまっさらな白シャツ。最愛の1着はカリフォルニア生まれの「フランク&アイリーン」。
聞けばこのふんわりとしたシルエット、建築学を学んでいたデザイナーの視点から人体の構造や動きが考えられて生まれたんだとか。イタリア製のコットンポプリン生地を使用し、あえてシワを活かしたデザインは、アイロン要らずという扱いやすさがいい。シンプル・イズ・ザ・ベスト。基本ができているモノはそれだけで美しい。
岡田 潤(BE NATURAL)=写真 菊池陽之介=スタイリング
MASAYUKI(The VOICE)=ヘアメイク 宮原友紀=編集・文