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④ THE PENDLETON ROUND-UP STADIUM AND MUSEUM

ペンドルトンで開催されるペンドルトン・ラウンドアップは、規模も人気も世界最大級のロデオ大会だ。



開催時期は毎年9月(1週間)だが、競技場や近隣の博物館には1年中観光客が訪れている。

競技場の名称はフェンウェイ・スタジアム・オブ・ロデオ。馬場は一般的なダートではなく滑らかな芝生であり、乗馬中に不測の事故が起きづらい。



競技場から通りを進むと見えてくるのが、2階建ての博物館、ペンドルトン・ラウンドアップ・アンド・ハッピー・キャニオン・ホール・オブ・フェームだ。

多くの古い写真やチラシや当時の案内所が集められているほか、ロデオ史上最も恐れられたサドルブロンク競争馬であるウォーペイント(剝製)も展示されている。



ペンドルトンはポートランドから東へ約200マイル(約321キロメートル)離れた場所にある。景色を堪能しながら車で移動するのもいいが、EAS(訳注:地方都市の生活路線を確保するために連邦政府が民間航空路線に補助金を支給する制度)によってポートランド国際空港から出ている格安の定期便を利用すれば、目的地まではあっという間だ。



THE PENDLETON ROUND-UP STADIUM AND MUSEUM
1114 SW Court Ave.
pendletonhalloffame.com

⑤ THE TAMÁSTSLIKT CULTURAL INSTITUTE

ペンドルトンの東側の境界線に面しているのは、面積271平方マイル(約701平方キロメートル)のウマティラ・インディアン居留地だ。

この地域の至宝であるタマスツリクト文化博物館は4万5000平方フィート(約4180平方メートル)の面積を誇り、カイユース族、ウマティラ族、ワラワラ族から見た1万年の歴史が網羅されている。

特に、魔法使いのコヨーテである「スピルヤ」が人類の歴史を教えてくれる短編動画と、西洋諸国との接触前に先住民がどう栄えていたかがわかる資料は必見である。



THE TAMÁSTSLIKT CULTURAL INSTITUTE
47106 Wildhorse Blvd.
tamastslikt.org

⑥ THE UNDERGROUND & BROTHELS

ペンドルトンの特徴や歴史は、牧場と密接に関わっている。かつて、大半の牧場地には、移動中のカウボーイに立ち寄ってお金を落としてもらえるように、多くの娯楽施設があった。



ペンドルトンも例外ではなかったが、ほかの地域よりもその風習が長く残っていたため、今でも当時を覚えている人がいる。町で最後の売春宿(コージールーム)が閉鎖したのは、モラルパニック(訳注:モラルに反する行為に対する過激な反応・行動)が起きた1960年代のことだ。

中心街はすっかり活気を失ったものの、この場所は驚くほど当時の姿を保ち続け、それが最近の地域活性化につながっている。

コージールームでは、ペンドルトン・アンダーグラウンド・ツアーが開催されている。当時コージールームを運営していたステラ・ダービーさんは寛大で慈しみ深い女性として有名で、今でも中央通りには彼女の記念像がある。

90分間のツアーは、迷路のような地下道を通ってダービーさんの地域を探索するものだ。



これは間違いなく、オレゴン州東部で最も人気のあるツアーだろう。この地下道は中国人労働者が作ったものだ。

夜間は町の大通りに出ることが禁止されていた中国人にとって、この地下道は繁華街となった。洗濯屋や肉屋(肉も地下で自然に冷えてくれる)や騒げる居酒屋などが並んでいたのである。

THE UNDERGROUND & BROTHELS
30 SE Court Ave.
pendletonundergroundtours.org


This article is provided by “SUiTE”. Click here for the original article.

マーティン・シズマー=文 セラ・リンゼイ=写真
加藤今日子=翻訳

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