看板娘、登場
「よろしくお願いします〜」。
こちらは、スウェーデン人のオーマン・ヨハンナさん(30歳)。首都のストックホルムで生まれ育ち、2年前からアルサーガのコンサルティング部門で働いている。スウェーデン語はもちろん、英語、フランス語、日本語も操る才女だ。
日本の企業で働きたかったが、「女性だから」や「残業は当たり前」など文化の面で納得できない面が多く、そこをクリアできる企業を探して出会ったのがアルサーガだったという。
「ストックホルムはたくさんの島で成り立っていて、北欧のベネチアと言われています。街全体が観光スポットですが、私の家は中心部からちょっと離れた、王様のお城の近くにあります。普通に庭を歩いたりできるんです」。
ちなみに、ヨハンナという名前はスウェーデンではよくある名前で、クラスに3、4人はいたそうだ。
「子供の頃は明るくて、すごくはしゃいでいました。『ハッピー・ゴー・ラッキー』という感じ。大人になった今でも悩みはなく、その日その日を大事に生きています。明日死んでも後悔しないような人生を送りたいです」。
5歳の頃から「ハッピー・ゴー・ラッキー」のヨハンナさん。
そういえば、スウェーデンといえばIKEAですよね。
「北欧は家具でも有名ですが、私たちにとってIKEAはひとり暮らしを始める大学生が買うというイメージです」。
ヨハンナさんは国立ストックホルム大学の大学院を卒業。その途中で早稲田大学の大学院に編入している。日本に興味を持った理由を聞いてみた。
「まず、アニメの『セーラームーン』です。主人公が強い女性で正義の味方みたいなところが大好きでした。あとは、小学校の図書館で見つけた雑誌の『FRUiTS』です」。
え、あの伝説のストリートスナップ誌ですか? 僕も大好きで毎号買っていましたよ。
「当時の派手な原宿ファッションはスウェーデンと大違いでびっくりしました。ファッションにはまったく興味なかったけど、あの雑誌がきっかけで日本のことを調べ始めたんです」。
1996年に刊行を開始した『FRUiTS』は2016年に休刊している。元編集長でレンズ株式会社代表の青木正一さんに連絡を取り、バックナンバーの写真を送ってもらった。
そう、これこれ!(画像提供:レンズ株式会社)
青木さんは「ストックホルムの小学校の図書館に『FRUiTS』があるのは嬉しいです。さらに、それを見て日本に興味を持ってくれたのはもっと嬉しいです」と言っていた。現在は復刊に向けて動き始めているという。
「今の小さい悩みは新型コロナウイルスの影響で2年間半以上、スウェーデンに帰れていないこと。次に帰ったときは愛犬の散歩をしたい」。
愛犬の名前は「そら」ちゃん。ヨハンナさんが日本語で名付けた。
「日本語は子供の頃から勉強していますが、ザ行が発音しづらいんです。スウェーデン語にはZがないので。集中しないと『餃子』も言えないし、『ぜんざい』に至ってはZが2つあるので最悪です」。
なお、今回の推薦人はデザイン部に所属し、ヨハンナさんの一次面接も担当したという金井萌衣さん。
「とにかく元気で、パワーがある。いろんなミーティングをガンガン回す。『何やりたいんですか』『これですよね』『いいんですか』のように勢いのあるファシリテーションがいつも印象的ですね。当社の社是でもある“最高品質を最速で”を体現してくれています」。
提出されたポートフォリオはすべて英語だったが、いざ会ってみると日本語がペラペラで驚いたそうだ。
「手作りのパンをよくもらいます」という金井さん。
ここで、ヨハンナさんがその「手作りのパン」を取り出した。
「今日も金井さんのために持ってきましたよ。スウェーデンでクリスマスのお祝いに食べる『サフロンパン』です」。
サフランとレーズンを入れるのが特徴。
そう、ヨハンナさんは料理が大好きなのだ。昨年のクリスマスも自宅に友人を招いて自作の料理を振る舞った。
温かいミート料理のテーブル。
こちらはデザートのテーブル。
お好み焼きも自己流のアレンジで作ってしまう。
東京にもスウェーデン料理の専門店ってあるんですか?
「はい、数店ありますよ。私が一番好きなのは六本木の『リラ・ダーナラ』。ダーナラというのはスウェーデンの地名で、伝統的なスウェーデン料理が食べられます」。
会社の納会時にリラ・ダーナラからケータリングで取り寄せた料理。
ヨハンナさん、最近は乗馬にハマっているそうだ。
「休日は『クレイン神奈川』という乗馬クラブに通っています。もともと、子どもの頃は毎週乗馬をしていたので、日本でもまたやりたいなと思って始めました。馬との一体感と自然の楽しさを味わえるのが好きです」。
この写真は北海道でのひとコマ。
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