OCEANS

SHARE

「陵南の福田は大喜利強いです、絶対!」


 平子 もし『スラムダンク』の登場人物とコンビを組むなら、僕はあいつ。湘北の体育館を襲ってきた不良の中でボーダー着てた……。
『スラムダンク』(7巻)

『スラムダンク』(7巻)

あ、竜だ! コイツいい雰囲気持ってるよな〜。あのクールな雰囲気、いいですね。シュールコントができそう。見取り図のリリーっぽい

ああいうやつが急に大声出したりすんのも面白い(笑)。意外と桜木軍団はハシャギすぎてカラ回りしちゃいそう。

酒井 うん。漫画で目立ってるやつは、たぶんつまんないですね。沢北とか絶対つまんないです

平子 そうそう。文化祭とかの賑やかしはできるけど、実際舞台に立つってなるとね。

酒井 陵南の福田は大喜利強いです、絶対。めちゃくちゃ面白い大喜利すると思いますよ。

いっぱい喋ったりするやつはね、面白くなさそう。ちょっとミステリアスなやつの方が、ポロッと面白いことが出てきそうだし。

平子 内に秘めてる方がね。

酒井 そうそうそう。海南の清田とか、学校にいてもたぶん、あんまり喋んないと思う。

平子 「芸人になればいいじゃーん」とかいって周りに乗せられて、なったはいいものの、ああいうタイプって1カ月でやめるんですよ

あ、オレ彦一のお姉さん好きだったなー。ショートカットで大阪弁で、彦一自体がすごく距離感が近いキャラクターだから、「知り合いの友達のお姉さん」みたいな感じでドキドキしながら見てましたね

そういう意味では、三井が入院していた病院の看護師さんもいい

可愛いし、「おねーさんかわいがってあげようかしら…♡」って思ったら、人形と入れ替わってて、「あのクソガキャ…………」って怒る看護師さん、色っぽかったですね。

酒井 (単行本を読みながら)晴子さん、めちゃめちゃ可愛いな〜。
『スラムダンク』(3巻)

『スラムダンク』(3巻)


平子 僕は晴子さんの後ろでチョロチョロしてるショートの子がいい。ショートボブの子、好きなんですよ。

何か短大とかに入って髪伸ばしてさ、のちに街でバッタリ会って「あれ?」なんつって。彼女は化ける可能性ありますよね。
『スラムダンク』(29巻)

『スラムダンク』(29巻)

酒井 あ、これ好きなセリフ。「沢北じゃねーか…どあほう!!」って、「要るソレ?」っていう

仙道と流川が1on1してるだけで十分格好いいシーンなのに、「要るソレ?」みたいな。

なんか、そういうシーンたまにありますよね?

平子 話が止まらないね。僕にとって『スラムダンク』は「一生読める青春」ですかねえ。

酒井 僕が『スラムダンク』をひと言で言うなら……「世代を超えて人をつなぐ漫画」かなあ。


アルコ&ピースのお二人ならではの『スラムダンク』観。

芸人らしい、独特かつユニークな捉え方はさすがだけど、その理由を聞くと、妙に頷いてしまうから不思議だ。

きっと誰の『スラムダンク』語りを聞いても、「ああ、わかるわー」となるのだろう。

世代を問わず、読んだ人それぞれに一家言を授けてくれる作品なんて、他に見当たらない。

「かく語る『スラムダンク』」とは……
映画公開も控えたバスケ漫画の金字塔『スラムダンク』。作品の持つエネルギーは凄まじく、それは時に人生を左右するほどの影響力を持つ。実際に触発され、全国区へ駆け上がったオーシャンズ世代の同志はこの漫画をどう読んだのか。男たちは、かく語る。 上に戻る 


上樂博之=写真 外山壮一=取材・文 出典:『スラムダンク』井上雄彦著/集英社刊

SHARE

次の記事を読み込んでいます。