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2022.01.09

ライフ

パタゴニアのアンバサダーも。ハワイ生粋のウォーターウーマン、キミ・ワーナーとは

当記事は「FLUX」の提供記事です。元記事はこちら



マウイ島出身の生粋のウォーターウーマン、キミ・ワーナー。スピアフィッシングの全米チャンピオンになるほどの腕前を持つフリーダイバー。パタゴニアのアンバサダーや環境活動家としても活躍する彼女の歩みを追う。
海にいるときの彼女はいつもリラックスしている。今、カリブ海の真ん中に浮かんだボートの上にいる姿も、いつもどおり落ち着いた様子だ。

彼女の名はキミ・ワーナー、35歳。スピアフィッシング(※訳注 素潜りで銛を使って魚を獲るスポーツ)という、男ばかりの世界でその名をとどろかせた彼女は、プラスチック汚染削減に取り組むNPOファイブ・ジャイルズとともに、健全な海洋生態系を維持する方法を探るため、1週間にわたり海上調査をしているところだ。

実は、もやい綱をほどく直前に、サン・セバスティアン・サーフフィルム・フェスティバルから連絡が舞い込んだ。彼女が応募した作品『ある島の物語(The Story Of An Island)』を映画祭で上映する予定だという。

フィジーのロビンソンクルーソー島を舞台に、彼女がダイビングを通じて地元文化との絆を深める様子を描いた、短いトラベルムービーだ。ただし、ひとつ問題があった――そのショートフィルムはまだ存在していない。スペインのサン・セバスティアンで開催される映画祭まで、あと2週間を切っているのに、今のところ出来上がっているのは、応募した予告編映像のみ。

でも、現実的に考えても、4日間あれば編集して完成させられる。彼女は迷うことなく、映画祭事務局に了承の返事をした。キミ・ワーナーと、カメラマンでありパートナーのジャスティン・トルコウスキなら、きっとできるはずだ。

スピアフィッシングの元チャンピオンで、幅広い分野で経験豊富なキミ・ワーナーの人生で、目が回るような慌ただしい出来事が起こるのは珍しいことではない。彼女は、次から次へとさまざまな活動で地球のあらゆる場所を駆け回っている。テレビや映画の企画、カンファレンスやフェスティバルへの出演、ポリネシアのトゥアモトゥ諸島のような辺境へのダイビング旅行……。

まるでイルカとたわむれるかのようにホホジロザメと一緒に泳いだり、フリーダイビングで相当な深さまで潜行したりと、海でのずばぬけた才能は有名だ。しかし、彼女に一番大きな影響をもたらしたのは、陸で重ねてきた努力である。マウイ島のハイクで育った幼少期に、持ち前の精神力を身に付けた。

両親は、彼女を含む子供3人を、手に入るものがかなり限られた環境で育てた。寝室がひとつしかない小屋に住み、外に深い鍋や浅い鍋を置いて雨水を集めたり、軒下で飼っているニワトリの卵を集めたりするのも、この家族にとっては日常的な家事だった。

こうした貧しい幼少期が、そこにあるものを大事にして無駄を出さないことを教えてくれた。「自然と家族。そのふたつの中で育ったんです」と、本人は振り返る。「だいたいは屋外で過ごす生活でした。しかも、ほとんどが海の中だったかな」。




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