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赤色は原因が特定しづらい

――ウンチだけに運というわけか……。ほかに気を付けるべき色はなんでしょう?
 
です。こちらは想像がつくと思いますが、血です。
 
――痔ですか?
 
それもありますが、ほかにも要因はあります。例えば腸炎です。食中毒やO-157などの感染性腸炎、そして虚血性腸炎と呼ばれる腸の炎症です。虚血性腸炎とは、腸の血管が詰まって、腸が炎症を起こす病気です。

お腹が痛くなって、トイレに行くとバッと血が出るのが虚血性腸炎によくあるパターン。ほかにも、安倍晋三元首相がかかった潰瘍性大腸炎もあります。腸炎の場合は、お腹が痛い、熱がある、下痢が赤いなど、ほかの症状も一緒に出ることが多いですね。

ケチャップのような赤い便が出たときは、痔核、癌などの腫瘍、腸炎(潰瘍性大腸炎、コレラや食中毒の感染症腸炎)の可能性がある。

ケチャップのような赤い便が出たときは、痔核、癌などの腫瘍、腸炎(潰瘍性大腸炎、コレラや食中毒の感染症腸炎)などの可能性がある。


――肛門から血が出るって怖いですね。

例えばお尻を拭いたとき、ちょっとだけ血が付いていたとします。「これぐらいならいいか」と思う人も多いのですが、腸は長いので、出血源が腸の奥であれば、肛門にたどりつくまでに血液の量が減っていき、排便する頃には少ししか付いていないということも考えられる。

つまりトイレットペーパーに付いた血は少しだけど、腸の中は血まみれということもあります。そうなるとある日突然貧血で倒れたりします。見た目の血の量と、腸の中の血の量の相関関係は医師でないとわかりませんから、お尻から血が出たら、すぐに病院に行ってください
 
――ものすごく怖くなってきました。
 
いずれにしても血が出たり、健康診断で急に貧血が進んだ場合は、腸内から出血している可能性も考え、1度は大腸カメラをしてほしいですね。

そして3つめの危険な色はです。


黒い便は、胃系の病気の可能性あり

――焦げ茶みたいな感じですか? 身に覚えあり……。
 
いえいえ、そんな程度ではありません。油の膜が張ったような緑がかった黒で、黒色便やタール便とも呼ばれるほど真っ黒です。

こちらは胃や十二指腸など、消化管の出血が考えられます。胃炎や胃潰瘍、胃がんのことが多いですね。

明らかに真っ黒の場合は要注意。

明らかに真っ黒の場合は要注意。


――胃炎や胃潰瘍の場合はやっぱり痛いですよね。
 
普通は痛みがありますが、ない人もいますし、痛くても大したことはないと思っている人もいます。いつも胃やお腹がムカムカしている人も要注意ですね。
 
――なるほど、気を付けます! ところで形やニオイがおかしい場合はどうでしょう?
 
ウンチの形はブリストル・スケールと呼ばれる分類があって、なめらかなソーセージ状の便が正常です。コロコロした便は、腸に止まっている時間が長かったということ。つまり、便秘の可能性が高いですね。

逆に下痢のようなビチャビチャの便の場合は、食物繊維の摂取量が少なかったり、腸内細菌の環境が不調なことが考えられます。

ニオイは食べたものに寄与しますので、肉が多い食事をしている方は臭くなります。ただ、形も臭いも病気に直結するものではありませんので、バランスの良い食事をして、ストレスを溜めず、適度に運動すれば大丈夫です。


ウンチには、思った以上にいろいろな情報が詰まっていることが判明した。便チェックを毎日のトイレの新習慣に加えてみよう。

「知らないと怖いカラダのサイン」とは……
加齢とともに、我らのカラダに忍び寄るさまざまな不調。いつどんな病気に罹るかわからないからこそ、小さな変化に敏感でありたい。ということで、危険を知らせるカラダのサイン集をお届け。
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林田順子=取材・文

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