“待望の”という枕詞が付くことはよくある。なかには“待たれていない”のに付く場合もある。でも、これだけは本当に待望だ。
遂に、遂に、遂に! アディマティック! 1万2500円/アディダス オリジナルス(アトモス表参道 03-5843-1017)
アディダス オリジナルスの「アディマティック」。
1996年にリリースされたスケートボード用シューズで、前年のエア マックス 95の登場で最高潮に達したスニーカーブーム禍に現れた異色の傑作である。
正面からも、いい顔をしている。1万2500円/アディダス オリジナルス(アトモス表参道 03-5843-1017)
当時は、ナイキなどアスレチックブランドを主軸にしたハイテク系に対して、エアウォークやDCシューズ、ノースウェーブといったエクストリームスポーツ系のスニーカーも台頭。
その文脈にアスレチックブランドのアディダスが突如投じたのが「アディマティック」だった。
ポッテリしたフォルムに極太の3本線&シューレースがアイキャッチ。サイドソールの三角形のデザインも超カッケー。全3色展開のうち、圧倒的人気だったのが、この鮮烈なグリーンである。
改めて復刻版「アディマティック」をマジマジと眺めてみる。
前述の特徴に加えて、立ち上がったトウガード、3本ステッチ、狭めのバンプ、クッション性を保つソールのホールなど、パッと見のディテール はすべて再現されている。 ひっくり返してアウトソールも見てみよう。スケートボード用らしい真っ平なそこに刻まれた溝も、見事に当時のママ。
聞けば、こういったディテールもラスト(靴型)も、オリジナルを「徹底的に忠実に」が今回のテーマだったようで、 “モディファイ”という名の妙な変更がない点もありがたい。
シュータンとヒールに配された“パフォーマンスロゴ”も健在だ。
「キャプテン翼」世代でもあるオーシャンズ世代にとってアディダスといえばトレフォイルロゴだった時代、このロゴも新鮮だったことを思い出す。 では、実際に足を入れてみよう。
お、いい感じ。履き心地も快適。
うん、メチャクチャ良い。ボリュームがあるので太めのパンツに合わせやすい。そして、「緑」が一大トレンドカラーである今、それを、ある種の郷愁とともに足元に取り入れられるのは最高だ。
これならば、ただの“青春引きずりオジサン”にならずに済む。
デニムにもマッチする。
嬉しくて爪先も上がっちゃう。
ちなみに当時、進化版とされる「ノートン」というモデルがすぐにデビューしたため、「アディマティック」の生産期間は極端に短かった。そんなこともあり、オークションサイトでは常にとんでもないプライスが付いていたが、もう競り合う必要はない。
発売は3月下旬を予定。今回は、写真のオリジナルカラーでもあるグリーンに加えて、ブラックが発売する予定で、日本国内はアトモスとアディダスの限定店舗での取り扱いとなる。
はっきり言って「アディマティック」はニッチなモデル。だからこそ、昨今の復刻ブームのなかでも全然復刻されなかったのだ。でも、だからこそ、待望なのだ。本物の待望スニーカーの誕生。だからこそ、2足買いマスト。次なるチャンスはもう来ない気がするから。
[問い合わせ]アトモス表参道 03-5843-1017 www.atmos-tokyo.com