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町田さんが古書店店頭の人形に近寄る。
「味があるでしょう。これは『街のキュートな置物探索記』という記事につながりました」。
ぼんやり歩いているとスルーしそうな風景。
ちなみに、神保町の古書店は大通りの片側だけに集中している。町田さん、なぜだかわかりますか?
「北向きだから本が日に焼けないからですね」。
さすが、即答でした。
「ところで、神保町って『植升』パラダイスなんですよ」
うえます?
聞けば、街路樹の下のコンクリートや石で仕切られた土のスペースを「植樹桝(ます)」というが、これを「植升」と名付けた人がいる。町田さんはそこに注目して記事にした。
「よく見ると普通の街路樹ではない、誰かが意図的に植えたとしか思えない木があるんです。肉屋の前にローズマリーが、中華屋の前に唐辛子が植えられていたりとか。偶然とは思えなくて」。
達人レベルにならないと、なかなかこれには注目できない。
町田さんによれば、「新しい街を歩く楽しさ」と「定点観測的にその街と付き合う楽しさ」は違うという。
昼過ぎには売り切れ必至のポルトガル菓子屋。
楽器屋の店頭に差し掛かると、ジャズっぽいピアノ曲が聞こえてきた。その音に街の喧騒や車の走行音が重なる。
勝手知ったる庭のように縦横無尽に路地を歩く町田さん。
色々と勉強になることが小散歩だった。ありがとうございます。最後に読者へのメッセージをお願いしますね。
編集部謹製のマスキングテープを貼ってくれました。
【取材協力】
交通新聞社『散歩の達人』編集部
www.kotsu.co.jp/products/sanpo/
https://san-tatsu.jp
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石原たきび=取材・文

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