「クラークス」のデザートブーツが永遠のマスターピースであることに異論はない。
そんな傑作から、今年最後となるコラボのニュースが。だけど、オリジナルと何が違うんだ?
ちょっと引いて見てみよう。
あっ! トウの雰囲気が、いつもと違う!
これを手掛けたのは、今や海外からも注目される気鋭のジャパンレザーブランド「エンダースキーマ」だ。
傑作スニーカーをレザーで再構築した
「mip」シリーズなど、ベジタブルタンニンレザーを使ったプロダクトを中心に展開するエンダースキーマ。
ならば、これもエンダースキーマのレザーを用いたデザートブーツじゃないの? と思うのは尚早である。
気になるのはやはり、つま先まわりの特徴的なデザイン。これは「ピースチップ」といって、エンダースキーマが昨年発表した新しい意匠をアレンジしたものだ。
外縫い割りという、熟練の職人だからこそ成し得る技術を使い、平和の象徴であるピースモチーフをシームラインで表現している。ストレートチップやウイングチップといった、レザーシューズの伝統的なカッティングに敬意を払いつつも、独特の表情になっている。
分解してみるとこんな感じ。
また、アッパーは、上質なスエードで知られる英国の老舗、C.F. ステッド社製のもの。オリジナルモデルが誕生した当時と、同じタンナーである。
きめ細かくしなやかなスエードは、防汚性と撥水性を備えており、上品ながらも日常使いもガンガンこなせる汎用性が魅力。デザートブーツが持つアイデンティティがしっかり継承されている。
デザートブーツの真骨頂であるクレープソールは、クラークス社の独自素材を採用。絶妙な反り具合に加え、耐摩耗性と弾力性に富む天然のゴムの木の樹脂を、手作業でシート状にして寝かせて丁寧に製作。このソールとアッパーを、職人の手によるステッチダウン製法で縫合している。
こちらは12月28日(火)12時から31日(金)20時まで、エンダースキーマの特設サイトにて抽選販売を実施。また、1月8日(土)からはエンダースキーマの公式オンラインストアでも一般販売される予定だ。
オリジナルのデザートブーツが持つ魅力を最大限活かしつつ、クラフツマンシップ溢れるシンプルな意匠を添えたコラボモデル。想像の一段上を行く、粋な仕上がりである。
[問い合わせ]スキマ 恵比寿03-6447-7448 外山壮一=文