今人気の壁紙は、輸入ものの「ウイリアム・モリス」の柄やゴッホ美術館とオランダの壁紙メーカー「BN」がコラボした、「ゴッホ」の絵画をモチーフにした柄だそうだ。たしかに、一般的にはあまり見られないものだ。
ワークショップでのDIY体験をきっかけに
同店では「ワークショップ」を頻繁に開催している。「パネルに壁紙を貼る」「スツールに壁紙を貼る」「木製フレームにペイントする」などのワークショップが開かれているが、すぐに埋まってしまうことも多いという。
パネルやフレームなど小さなものに貼ったり塗ったりする体験から始めて、自分の部屋へとステップアップしていく。そうすることで、DIYを手軽に感じさせることにつながっている。
ただし、DIYには注意点もある。構造体にかかわるため、物件によって「手を付けてはいけない場所」もある。どの場所にどこまでならできるかを、きちんと見極める必要があるので、専門家の助言が欠かせない。わからないことや不安なことを質問できたり、相談に応えてくれたりする場があることも、DIYの普及につながっている。
同店は手軽さやおしゃれな柄の多さから、DIYをする女性に人気だが、各地のホームセンターでもDIYの道具や商品を豊富にそろえている。ホームセンターの中には、DIYアドバイザーなどの専門スタッフを配置したり、工具のレンタルをしたりをしているところもある。
壁の塗装やシート貼りなど手軽なDIYに加え、いわゆる「日曜大工」のような電動工具を使って木を組み立てたりすることまで幅広く対応できるのが、ホームセンターの特徴だ。
ホームセンターに加えて同店のようなショップの登場により、一般の人が取り扱いやすい商品が多様にそろい、DIYのノウハウを提供する場ができたことなどで、DIYは広く浸透してきた。これからは、住みながら自宅に手を入れる家庭が増えるかもしれない。日本の住宅の住み方も、少しずつ変わっていくのだろう。
山本 久美子:住宅ジャーナリスト
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