当初2021年秋の予定だった納車が、半導体不足の影響で遅れている「ハマーEV」。今年のカスタマイズカーのイベント「SEMAショー」でもその姿を見ることができた。
オプションパーツは約200種類!
SEMAショーに展示されたハマーEVで目をひいたのは、やはりルーフ上のテントだ。
何しろモーターによって自在に4輪を操り、カニのように斜め移動できたり、水深の深い場所でも進めるようにボディを上げたりできる車だけに、砂漠やジャングルなど、テント設営できない場所でやむを得ず、という可能性は十分ある。だったらハマーEVの上がいちばん安心して眠れそうだ。
またハマーEVにはもともと、ボディ下を含む車両周囲情報を車内から18場面ものカメラビューで確認できる機能が備わっているが、オフロード用のルーフライトがオプションで取り付けられるから、土砂降りの夜間行軍だってへっちゃらだろう。
さらに万が一仲間の車がスタックなどした場合に脱出を助ける、ウインチをはじめとしたリカバリーキットもオプションとして用意。
しかもこれらのウインチやルーフライトなどの操作は、もともと運転席に備わるディスプレイ上からできるという。これなら多くの機能も難なく使いこなせるだろう。
もちろん腹が減ってはなんとやらで、どこでも美味しい肉や魚を食べることができる冷蔵庫もあるし、川でも食糧を得られるよう、釣り道具一式をしまっておけるボックスも用意。
ほかにも、荷台にはコンセントらしきものが見えるので、電気自動車であるハマーEVのバッテリーを使ってかなり便利なキャンプも楽しめそうだ。
こうしたオプションパーツは、ハマーEVの開発と並行して行われたのだとか。
もちろんGMC(メーカー)のお墨付きだから、信頼性も高い。またオフロードライトやウインチのように、操作性も高さも配慮されているはずだ。
肝心の実車は、昨今の半導体不足によって納車が遅れているようだが、改めてGMCは、昨年あっという間に予約完売したハマーEVの「エディション1」については年内には届けるとしている。
約200種類のオプションを携えたハマーEV、まさにカモがネギも出汁も鍋も背負ってやってきたような楽しいオフロードモンスターの、日本での発売開始を待ちわびたい。
籠島康弘=文