世界最大級のカスタマイズカーのイベント「SEMAショー」。
今年は 大手メーカーによるいくつかのコンセプトカーが登場したが、なかでも最強と呼び声高いのが、シボレーのオフロードコンセプトモデル「ビースト(野獣)」だ。
シボレーが披露した「オフロード・コンセプト」。
名称についてプレスリリースにはそれしか書かれていないが、写真をよく見るとリアや、ボディに貼り付けられたプレートに「BEAST」とある。まさに見た目は野獣。
全長が約5.2mでトレッド(左右輪の距離)が約2.3mもある。しかも岩があっても軽くまたいでいけるように、ロードクリアランスは約343mmも取られ、リアは急な上り坂でお尻を擦らないようにするため、リアタイヤより後方部分がほぼない。
フロントマスクはほかのシボレー車に通じるシャープな顔だが、この格好でこの顔だと、確かにビーストという名が相応しい、今にも戦闘ロボットにトランスフォームしそうだ。
月面探査や火星旅行も行けそうなこのビーストは、既存のトラック「シルバラード」を改造して作られた。
同車はもともと全長約5.8mもあるピックアップトラック。その全長を縮めて、横に広くしたのは「砂漠を高速で走行するため」だ。
4人乗りのオフローダーで、同社のパワフルな6.2L V8エンジンが10速ATを介し、37インチという巨大なオフロードタイヤを回す。
ボディより上やドアはチューブで組まれ、窓ガラスがない。シートの背後にはスペアタイヤが2本も載せられているから、2回パンクしても大丈夫。
一方で室内はレカロ製シートが4脚備わり、車両の機能や走行時の車両姿勢のデータなどをモニタリングできる専用スクリーンも搭載されている。
このビーストは、今後の同社の高性能ピックアップトラックの基準になる、と同社。確かにこのところ、オフロードを爆走できる、この手のハードなピックアップトラックがアメリカでは人気。
残念ながら日本にはビーストが爆走できるような砂漠はないけれど、こんなマシンがあればどんなところへでも行けそうだし、何より最高にカッコいい!
籠島康弘=文