「知ってホッとする冬服大全」とは…… 「光電子」。その名前の持つ輝きに反し、機能の詳細はあまり知られていない。
実のところ、何がどう優れているのか。その答えを聞きに、光電子ダウンを巧みにプロダクトへ取り入れているナナミカに足を運び、ゼネラルマネージャーの野村剛司さんに話を聞いた。
キーワードは「遠赤外線」の吸収と輻射
光電子ダウンは天然ダウンと、微細なセラミック状の粒子である光電子が練りこまれた化学繊維を混ぜて作られている。
「光電子は、体から放出される遠赤外線を使って、衣類の内部を常に快適な状態に保ってくれます」。
人体の発する遠赤外線(体温)を光電子の粒子が吸収し、輻射することで、じんわりと温かく快適な保温効果が生じる。水分を吸収して発熱する「吸湿発熱繊維」などとはその点で大きく異なるのだという。
こちらは光電子ダウンを封入した、ナナミカの「ゴアテックス ダウンコート」。一般的なダウンアイテムにみられるロフト感を削ぎ落とし、ナナミカらしいシンプルでスタイリッシュなシルエットに仕上がっている。
通常よりもダウン量を減らしても高い保温性を保つことができるのは、まさに光電子の恩恵だろう。
「光電子ダウンは、あくまでも体温を活かして“保温”するので、暑くなりすぎないんです。同時に湿気を外に逃す機能も備わっています。表地のゴアテックス ファブリックスも透湿性が高い素材なので、着てみるとその感覚がよくわかると思います」。
では、光電子の保温効果はどれくらいの期間、持続するのだろうか。
「光電子の保温作用は洗濯で失われることはなく、恒常的に続くと言われています。天然ダウンのアイテムはどうしても洗濯することに抵抗感を持つ人が多いと思いますが、これなら罪悪感もなく洗えますよ。ダウンの使用量も減らせるので、サステイナブル面でもこっちの方がベターと言えます」。
あらゆる意味で優れている光電子ダウンだが、今や光電子アイテムはダウンだけでもなくなりつつあるようだ。
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