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2022.01.02

ファッション

ワイルドシングスの定番アウター「モンスターパーカ」がモンスターたる由縁

「知ってホッとする冬服大全」とは……
大自然を相手にするなら、生半可では太刀打ちできない。だからこそアウトドアブランドのアイテムは頼りになるし、ましてや軍隊をも認めさせた逸品となればなおさらである。
アメリカ生まれのワイルドシングスは、まさに軍隊からの信頼も得た実力派。これまでにも質実な名品をさまざま発表してきたが、なかでもモンスターパーカは異彩を放っている。

軽さとタフさを追求したアメリカ生まれの実力派


マウンテンガイドの家系に生まれ、自然とともに日々を過ごしてきたマリー・ミューニエール、そして、アメリカ人登山家のジョー・ボーチャード。彼らの手によって1981年に創設されたのがワイルドシングスである。
優れた登山家が集まるカナダ国境付近の町、ニューハンプシャー州ノースコンウェイを拠点に、さまざまな登山用ウェアやギアを世に放ってきた。
リスクを少しでも抑えるため、登山時の装備に穴があってはならない。とはいえ、疲労面を考慮すると極力身軽であることが望ましい。その矛盾に対する彼らなりのアンサーが、ブランドコンセプトに込められている。それが……
“Light is Right(軽くタフでなければならない)”

創業からこれまで、その精神は常にブランドの中に生き続けている。
’83年には初めてプリマロフトを採用したウェアを開発。’85年にはマリー・ミューニエールが女性として初めてアンデス山脈の最高峰、アコンカグアの登頂に成功する。
彼女の名声とともにブランドも広く知れ渡り、やがてアメリカ軍の耳にも届くこととなる。そして翌年、ウェアやギアを納入するに至るのだ。
 

ファッションとしても人気を得たモンスターパーカ


「一時、両者の距離は空いてしまったものの、ワイルドシングスは1990年代後半から2000年代に再度サプライヤーとして軍へ供給しています」。
そう語るのは、ワイルドシングスの国内プロモーションを担う、インスのプレス兼セールス、渡邊康太さんだ。
「アウトドアウェアのレイアリングという考え方から着想を得た拡張式寒冷地被服システム、ECWCS
(エクワックス)。それを搭載したハッピージャケットはブランドを代表するアイテムですが、ECWCSシリーズのなかでもモンスターパーカはもっとも防寒性に秀でるアイテムです」。
米軍への納入実績も豊富なブランドだけに、ファッションシーンでもすぐに注目されることとなった。2014年にはシーンの最重要東京ブランドともコラボレーションし、アウトドアブランドながらミリタリーアイテムを製作。
そして、よりタウンユースを意識したアイテムとして2018年秋冬からリリースされているのが、現在のモンスターパーカである。
「モンスターパーカ」4万4000円/ワイルドシングス(インス 0120-900-736)
「イメージソースは、やはり当時から米軍で採用されていたモンスターパーカです。当時のものは古着市場で大変な金額になってますが、なかなか街で着られるシロモノではありません。そこで、あらゆるディテールを削ぎ落とし、すっきりとしたデザインに仕上げたんです。
ただ、ブランドのアイデンティティのひとつでもあるミリタリーの空気感は大事にしました。前立ての幅やポケットのサイズはその表れで、中綿には初期から採用しているプリマロフトを搭載しています」。
そして、ひときわ気を使ったのがフィッティングである。渡邊さんは語る。

「原型はもう、すべてが大きいんですよ(笑)。着丈も長いですし。それを、袖を通しやすい丈感に仕上げ、寸胴型のボディもほんのりすそ広がりなシルエットに変えています。今気分のビッグシルエットの感覚で着てもらえるはずです」。
そして、ブランドロゴは左袖に大胆に。シンプルな面構えに一点の主張が利いている。


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