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2021.12.26

ファッション

“ダウンの代替品”は過去の話! ザ・ノース・フェイスの「中綿」の真価

「知ってホッとする冬服大全」とは……    
ダウンの代替品として誕生した化学繊維の中綿は、化繊の持つ汎用性を活かし、ファッションの幅を広げる重要なポジションを確立している。かつての“ダウンの代替品”というイメージは過去の話となりつつあるようだ。
その最先端を知るザ・ノース・フェイスで話を聞いた。

「ダウンか、化繊か」の2択は誤り

ザ・ノース・フェイス ライフスタイルライン MDの飯島和宏さん。ザ・ノース・フェイスがフィールドで培った経験をタウンウェアへと落とし込んだコレクションを担当。ヌプシなどの名作のダウンジャケットだけでなく、化繊中綿の今後の更なる可能性を模索中。
「ダウンは熱を溜め込むうえに軽量なのが強みで、間違いなく高品質な素材です。同時に弱点もあって、湿気や汚れに弱く、水に濡れたらロフト(かさ)はしぼみ、潰れてしまうという特徴があります」。
軽量ながらも空気を多くため込み、高い保温性を確保した中綿ジャケット。「トランゴパーカ」2万9700円/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン 0120-307-560)
アウトドアの環境において、ダウンはいつ汚れたり濡れたりしてもおかしくない。保温性が高くコンパクトに持ち運べるのは利点だが、ロフトが潰れ、保温性を失ってしまったら、ダウンの良さはガクッと減ってしまう。
繊維が細く柔らかいポリエステルの蛇腹状の板綿「V-Motion」を使用。ダウンのようなかさ高とふんわり感を実現している。
「化繊綿はその点、水に強く、濡れたり汚れたりしても保温性がキープできます。家の洗濯機でも洗えるので、イージーケアといった面でも大きなメリットでしょう」。
確かに、天然素材であるダウンは繊細で、それなりのケアと注意が求められる。どのシーンにも適しているわけじゃない。「どちらがいい」という決めつけるのはナンセンスなのだ。
「ダウンと化繊綿どちらかひとつという2択で考えるのではなく、シーンや用途によって使い分けるのが賢いと思います」。
 

ザ・ノース・フェイスの中綿「VENTRIX」とは

VENTRIXテクノロジーを採用したジャケット。気温の変化に左右されず、衣服内を適温に保ってくれる。「ジェットセットベントリックスブレザー」3万8500円/ザ・ノース・フェイス(ゴールドウイン 0120-307-560)
化繊綿を使用したウェア作りを始めて20年以上の歴史を数えるザ・ノース・フェイス。彼らが開発したオリジナルの中綿「VENTRIX(ベントリックス)」の機能性を知れば、化繊綿とダウンがまったく異なる可能性を秘めているのがわかる。
「このVENTRIXという中綿は“シート状”になってるんです。体を動かすと動きに合わせてストレッチすることでスリットが開き、穴から通気することで体温調節をしてくれるんです。
例えば、冬のホームで電車を待っている間は保温性を発揮し、駅から家まで歩く際は体の熱気を逃がしてくれる、といった効果も得られますね」。

熱の放出と保温という、本来相反する要素を兼ね備えたVENTRIX をザ・ノース・フェイスでは「呼吸する中綿」と呼んでいるらしい。
とにかく汎用性が高いVENTRIX。ザ・ノース・フェイスの内部では「呼吸し続ける中綿」との異名をとっている。


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