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■「どんどん乗り換える」というバイク愛

「2台以上の面倒を見るのは大変だけど、乗りたいバイクはたくさんある。だから、1台の新車に3年乗るか、走行4万km以内を目安にどんどん乗り換えています」。
丸山さんのバイクの楽しみ方はもっぱらツーリングだ。そういった楽しみ方だと、3年後にはほぼ4万km走行に達してしまう。「3年もしくは4万km以内のほぼツーリングでしか使っていないバイク」なら、消耗度合いも比較的低く、次に売るときに有利なのだ。
ビッグツアラーを高速道路使用のツーリングで使うので、消耗品のタイヤだけはどんどん交換していくと言うが、なるほど理にかなっている。
ツーリング時のナビはスマホで。「ツーリングサポーターというアプリを使っています。経由地を入れると、勝手におすすめルートを作ってくれるところがいい。ただ、ここは国道を薦めるのではなくて広域農道のほうがいいんじゃないかな? というところもありますけど……」。
そんな乗り換えスタイルを貫き、1400GTRの後も程度の良いまま乗り換えを繰り返して、最近までカワサキの超ハイパフォーマンスバイクH2のツアラーモデル「H2SX SE+」でツーリングを楽しんでいた。
またしてもカワサキである。

「初めて乗ったカワサキがとても格好良くて、以来ずっとカワサキ党なんです。でもあるとき、バイク乗りの友人と次に何に乗ろうか? と話していると、スズキ・ハヤブサの話題になりました。
スズキのバイクに乗ったこともないのに、カワサキ党の私がああだこうだと言っていると、『乗ったこともないのに何を評論するんだ?』と友人に言われまして……」。
そんなわけで走行4万kmを迎えたカワサキ・H2SX SE+から、自身初めてのスズキ車、それも今最も話題のハヤブサに最近変わったばかり。

「購入してから2400km走りましたが、シートの座り心地がすごく良くて、ロングツーリングでもお尻がまったく痛くならないのは気に入りました。
排気量1339ccのエンジンならではのアメリカンマッスル的パワー感もイイですね。乗り心地の良さと、太いエンジントルクに任せてゆったりとクルージングするのがとても楽です」。
これまで北は北海道、南は鹿児島県佐多岬まで走った。昔はキャンプツーリングばかりだったが、今は宿泊まりのツーリングばかりという。
「宿泊まりにしてから荷物が圧倒的に減りました。“ミニマリスト”ってヤツです。それこそ、宿のランドリーを使えば、ハヤブサのリアに固定したシートバッグひとつで、1週間のツーリングでも大丈夫です」。

ただ、ロングツーリング時のハヤブサで、少し残念なことがあると言う。
「ハヤブサのタンク容量は20Lと少なくて400km走行にギリギリ足りない。ロングツーリングを走るバイクとして、1回あたりの給油で400kmは走ってほしいところですよね。
静岡とかにツーリングに行くと、価格の高いパーキングエリアのガソリンスタンドで最後の給油をしないといけないのが残念。
あと、前からの走行風を逃がしてくれるフロントスクリーンの高さが低くて、ヘルメットを被ったときにスクリーン端がちょうど目線にかかるんですよ」。

そう言いながらも、ハヤブサの流麗なルックスやその性能には大満足そうな笑顔だ。
「今はとにかくハヤブサに乗ってツーリングに行くことだけを楽しみに、毎日仕事を頑張っている感じです(笑)」。
愛車はドッペルギャンガーのストレージバイクシェルター2に入れている。実は、愛車を入れられる“サンルーム増築計画”も進行中!
バイクのメンテナンスは洗車&1000kmごとにチェーンオイルを塗布する程度だが、チェーンオイルのお気に入りは、吹き付けると透明になるヴィプロスのレイキッシュ。「万が一オイルがハネても汚れが目立たないうえ、新品時の軽い動きが再現できるところがいい」という。
スイングアームフックをわざわざ付けたのは、チェーンオイルを塗布する際に使うメンテナンススタンドをラクに確実にかけるためだ。
ちなみに、ハヤブサに乗って3年後、もしくは4万kmを迎えたら?
「次に乗るバイクがガソリンエンジン最後となるのかな? 最後はすごろくで言う“アガリ!”のバイクとして例えられる究極のツアラー、BMW・K1600GTにぜひ乗りたいですね!」。
え? もう次のバイクが決まっているの!?

乗りたいバイクがたくさんあるから、新車を買って程度が良いうちにどんどん乗り換えていく。そして保有するのは1台のみ。
バイク愛のカタチは、それこそ十人十色なのだ。
 
山中基嘉=写真 今坂純也=取材・文


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