2021年秋、千葉・木更津にオープンした「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」(以下・PEC)をご存知だろうか。
そこは、ポルシェファンならずとも訪れて損はない、大人が一日中楽しめる場所だった。
■公道ではわからない“本当のポルシェ”
ポルシェと聞いて、どんなイメージを抱くだろうか? “スポーツカーの王道” “空冷エンジンの911” “リアにエンジンを搭載した後輪駆動車”etc.……。
その印象は、長くポルシェを知る我々世代にとってもさまざまだが、たとえ一家言ある車好きでも、日常でポルシェのポテンシャルを奥底まで体感したことがある人は少ないだろう。
PECとは、日常では簡単に体験できない、ポルシェの奥深き魅力を骨の髄まで味わえる画期的な施設。
43ヘクタールという広大な土地にレイアウトされた3Dコースのメイントラックを筆頭に、合計6つのモジュール(トラック)を、ドライビングコーチのアドバイスを受けながら90分間試乗できるのだ。
しかも試乗プログラムは、とにかく内容が濃い!
周回2.1kmのメイントラックでは、ドイツのニュルブルクリンクを再現した鉢状のコーナーや、アメリカのラグナ・セカの名物、S字コースを模したコークスクリューなどを走行。
また、ツルツルに磨き上げられたコンクリートを濡らしたサークルトラックでは、後輪を横滑りさせることで生じるアンダーステア、オーバーステアを体感できる。
さらに、解放的なダイナミックエリアでは、自動制御装置であるローンチコントロールを作動し、急速発進させて「G」を感じたり、オフロードエリアでは、最大40度の急斜面を駆け上がったり……。
とにかく、次から次へとポルシェならではのスポーツドライビングが体験できるのだ。
普段、法定速度内の運転では絶対に味わえない非日常と、ポルシェのパフォーマンスの高さをひしひしと感じて興奮していると、あっという間に90分が終わる。
“ポルシェのブレーキは世界一”。そんな言葉をよく耳にすることがあるが、試乗プログラムでは、ブレーキングパフォーマンスはもちろん、ポルシェの極限状態でのリカバリー能力、操作性の高さなどが、あらゆる角度からしっかり体感できる。
90分間の体験は、これまで何百時間とポルシェを運転してきたという人も、スポーツカーを乗り継いできたという猛者も、新しい経験に溢れていると断言して良いだろう。
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