フェミニンな印象もある“バーガンディ”だが、醸し出す高貴さやフォーマルな雰囲気は、時計にも馴染む。新たなトレンドとなっているこの色を、まずは臆せず着けてみてほしい。
機能を求めた大径ケースの伝統が優美に蘇る
IWC SCHAFFHAUSEN
IWC シャフハウゼン/ポルトギーゼ・オートマティック
1930年代、IWCはマリンクロノメーターに匹敵する高精度の腕時計の製造依頼を受け、懐中時計のムーブメントを用いた。そのためケースは大径化し、依頼主がポルトガルの商人だったことから名作コレクションの名が付けられた。
高性能ムーブメントと大径ケースの伝統は、21世紀になり、ペラトン機構の搭載とともに、スモールセコンドとパワーリザーブを並列したモダンクラシックのスタイルとなって復活。今も7日巻きの実力を誇示する。
たとえ時代が移り変わっても名作であり続ける形と色
CARTIER
カルティエ/タンク マスト
1917年に登場した「タンク」は、当時主流だったラウンド型ケースに対し、前衛的ともいえるレクタンギュラー型を採用し、その独創性は今も色褪せない。だからこそモデルのシグネチャーであるローマ数字やレイルウェイを省き、ロゴのみを掲げたミニマルなダイヤルであってもひと目でそれとわかるのだろう。
彩るのはメゾンを象徴するカラー。1980年代に一世を風靡した斬新なスタイルに、時代を超越した名作の矜持が伝わる。
スモーキーなダイヤルに旅情を誘うデュアルタイムを
H.MOSER & CIE.
H.モーザー/ヘリテージ・デュアルタイム
かつて創業者は異国で成功を遂げ、その息子は世界を旅した。そんな歴史と冒険精神を受け継ぎ、デュアルタイム表示を装備。第2時間帯表示の針を時針に重ねると、それを非表示にすることができ、時刻表示の視認性を妨げない。
ブランド独自のフュメダイヤル技法を注いだバーガンディの美しさも際立つのだ。
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