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そうだ、杉山さんを推薦してくれた理由は何ですか?
「プレゼンは通ったけど川上産業には何も言っていない状態だったんです。電話を掛けたら、数日後には社長同席の打ち合わせの場に呼ばれて『いいですね、やりましょう』と。仕事の早さがハンパない」。
そんな杉山さんは1999年に新卒で入社。社長秘書と会社のHPを作る仕事を任せられた。
入社間もない頃、”潰すためのプチプチ”初代プッチンスカットとともに。
「プチプチ研究所は私が所長、当時の社長が主任研究員という役割。社長がいろんなことを面白がってくれる方だったので、一緒に情報収集していました」。
杉山さんが常々思っていたのは、これまでのプチプチに加えてカワイイものも作りたいということ。
そこで誕生したのがハート型のプチプチ「はぁとぷち®」。このサッカーボールは女性社員の手作り品だ。
活動は社外にも広がる。プチメタルというバンドを組んでボーカルを担当。ひたすらプチプチにまつわる曲を歌っているのだ。
「∞プチプチ®AIR」のキャンペーンソングも初代の時に作り、今年の新商品に合わせて歌もバージョンアップ。
研究所内にはほかにも様々なプチプチがあった。たとえば、浮世絵が世界に広まったきっかけは、20世紀初頭にヨーロッパへ陶磁器が輸出された際に、摺損じの浮世絵が緩衝材として使われたこと。
これがデザインユニットconeruさんと川上産業が共同で開発した浮世絵ぷちぷち。
つぶす専用のプチプチの右にあるのは牛乳瓶。このプラスチック蓋を回収・再生し、プチプチに生まれ変わらせている。
瓶は洗浄され再度牛乳瓶として活躍します。蓋はプチプチに生まれ変わる。
今年の7月に販売を開始した商品を見せてくれた。
「四角い粒でハサミやカッターがなくても、手でまっすぐ切れるという『スパスパ』です。さっそく、『スパスパしてみたい』とネットなどで話題になっています」。
プチプチは常に進化を続けている。
最後に面白い話を聞いた。山形県朝日町に世界で唯一(?)、空気を祀る空気神社があるというのだ。
「空気とポリエチレンが原料のプチプチメーカーとして、毎年プチプチを奉納させていたいています。神社にお社はなく大きな鏡のみがあり、本殿はその地下にあります。その鏡に自然の移り変わりや空や光が映し出されて空気を表現しているという素敵な神社です」。
毎年6月に開催される「空気まつり」では、空気神社の空気を大きなプチプチ「エアピロン」に入れて持ち帰るイベントを行ったこともあり、人気だったそうだ。
神社はホテル、コテージ、スキー場などを備えた観光複合施設「Asahi自然観」内にある。
では杉山さん、最後に読者へのメッセージをお願いします。
気泡緩衝材の商品名としては天才的。
【取材協力】
川上産業株式会社
https://www.putiputi.co.jp
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石原たきび=取材・文


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