「知らないと怖いカラダのサイン」とは…… 「運動するとみぞおちが痛くなることがあって……」。
そんな経験に「心疾患の可能性がある」と警鐘を鳴らすのは、しながわ内科・循環器クリニック院長の品川弥人先生。“走って脇腹が痛くなる”のとはまったく別の話だというが、その理由を詳しく聞いた。
話を聞いたのはこの人!
40代もリスク有り。意外と侮れない2つの心疾患
――心臓の病気って高齢者がなるものですよね。一般的にはそうですね。ただ、
高血圧や糖尿病、コレステロール値が高い、喫煙者、家族で狭心症や心筋梗塞の既往歴がある人は、リスクファクターを持っていると思ってください。なかには40代で発症する人もいます。
――そんな年からですか!? そもそも心臓の病気ってどんなものでしょう?運動してみぞおちが痛くなるときに疑われる病気は、主に「虚血性心疾患」に分類される
「狭心症」と「心筋梗塞」です。
全身に血液を送り出す心臓は筋肉でできているのですが、その表面には冠動脈と呼ばれる細い血管が張り巡らされています。この冠動脈の内部が動脈硬化で狭くなって、血の巡りが悪くなると、心臓の筋肉に血が行き渡らなくなる。これが「狭心症」です。
そして狭心症の次のステージが「心筋梗塞」。冠動脈が完全に詰まって、心臓の筋肉が壊死します。壊死した筋肉は元には戻らないので、その範囲が大きいと、ずっと後遺症が残ることになります。
――なぜ血管は狭くなるのでしょうか?理由は大きく2つあります。
1つは血管内部に
コレステロールが溜まって物理的に狭くなった状態。これは
運動したときに苦しくなることが多いですね。
2つめは安静時狭心症と言って、
血管内皮の障害を基盤として自律神経の影響で血管が痙攣して起こるもの。血管が狭くなるとギュッと胸が苦しくなって、血管がもとに戻ると楽になる。これは物理的に血管が狭くなっているわけではなくて、自律神経の問題です。
特に注意してほしいのは、
物理的に狭くなっている場合です。
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