ヌメ革を軸にしたモノづくりが魅力のレザーブランド「エンダースキーマ」。

さまざまな名作シューズにオマージュを捧げたmipシリーズをはじめ、クラフツマンシップが息づくレザーアイテムは、今や世界中から注目される存在だ。
そんな彼らの世界観に、一歩足を踏み入れたい人は、ぜひこの本を手に取ってほしい。
「プリンシプル」2860円/エンダースキーマ(スキマ 恵比寿 03-6447-7448)「プリンシプル(principle)」と名付けられたこの本。
エンダースキーマをはじめ、フォート、ポリプロイド、ケージギャラリーといった数々のブランドを束ねる「ライコス(laicoS)」が、エンダースキーマの設立10周年を記念して、自らその営みをまとめたものだ。

社内向けに制作された「プリンシプル ライコス」と、一般発売用の「プリンシプル ソーシャル(Social)」の2種類が存在し、後者は、全国のエンダースキーマ取り扱い店で入手できる。

伝統に敬意を払いつつ、既存の価値観にとらわれないこと。
物事にはさまざまな側面があることを知り、視点を変えたみたり、反転させてみたりすること。そういったプリンシプル(原理・原則)のもと、エンダースキーマは多様な表現をカタチにし続けている。
お気づきかもしれないが、そもそも社名の「laicoS」を逆から読むと“Social”、すなわち“社会”を反転させたものだ。

本書・プリンシプル ソーシャルにおいてもその姿勢は健在で、一般的な本の表紙を裏返したようなユニークな装丁に始まり、中面でも“解釈と表現”というテーマでクリエーターたちが制作に参加している。

イラストレーターのみうらじゅん氏をはじめ、ファッションディレクターでスタイリストの長谷川昭雄氏や、フォトグラファーの三部正博氏などが、それぞれの視点で紡いだ“エンダースキーマ論”は見応え十分。

なかには弁護士の水野 祐氏が、「mipシリーズは違法なのか? 適法なのか?」という問いに答えるようなページもあるなど、深く切り込んだ内容となっている。
単なるブランドのコンセプトブックに止まらない、何度もページをめくりたくなる楽しさがキチンとある。
短くも意味深いテキストとハイセンスなビジュアルをテンポ良くまとめ上げつつ、見る人の感性に委ねる余白もしっかり残している。いつまでも手元に置いておきたいのは、こんな1冊だ。
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オーシャンズWebでは、エンダースキーマを代表する「mip」シリーズの特集を、明日より公開。そちらもぜひお楽しみに〜!
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スキマ 恵比寿
03-6447-7448
https://henderscheme.com
外山壮一=文