もしあなたがとびきり上質な瞑想を求めるなら、東京・南青山にあるメディーチャをおすすめしたい。
ここでは瞑想の経験やコツなどは必要ない。小一時間ほどかけて、4つの部屋を巡るだけでOK。トータル80分で、誰もが極上の瞑想タイムを体験できるのだ。
光に包まれた部屋から幕を開ける瞑想の旅
Room1「Tune In」
ドアを開けると、目の前は一面白い光。ぼんやりとした光なので、眩しくはないが、壁も天井も何も見えない。
ひんやりとした空気を感じながら、部屋の真ん中あたりへ足を進めていく。床も見えないので、宙に浮いているような感覚。目の前の境界を忘れることが瞑想の要諦だというが、ここはまさにそんな空間だ。
ココロは空っぽになるのに、意識はくっきり冴えていく。
点滅する星を眺めながら深いリラックス状態へ
Room2「Open Up」
打って変わって暗闇の部屋。天井にはどこまでも続く星空。手探りで部屋の中へと進み、フカフカのクッションに身を横たえる。背もたれの角度は天井を眺めるのに丁度いい。
部屋の中は暖かく、気持ちが落ち着く音楽が静かに流れる。光っては消える星を見つめているうちに、だんだん肩の力が抜け、呼吸は深くなる。自分の気分次第で、先ほどの光の部屋に自由に行き来することができる。
竹のドームの中に座って瞑想を開始する
Room3「Shift」
職人の熟練の技で組み上げられた竹のドームが置かれた部屋。その中の座椅子に腰かけて瞑想を始める。竹は気を清浄にするといわれ、さらにドームのような形のため、包み込まれるような安心感を覚える。
エッセンシャルオイルの香りでココロを落ち着けたら、オーディオガイダンスに耳を傾ける。ガイダンスは気持ちの状態に合わせて6種類から選択できる。
煎茶を味わいながら改めてココロを整理する
Room4「Align」
瞑想を終えたら、お香がほんのり薫る茶室のような部屋へ。作家が手掛けた品のいい茶器を使って自分のために煎茶を淹れる。茶と甘い和菓子を味わいながら、ここで過ごした時間を振り返る。
テーブルには和紙とペンが置かれていて、この日、感じたことを記して、持ち帰ることができる。この作業は自分の思考や感情のクセに気付くのに役立つという。
トータル80分でココロが整う
瞑想をライフスタイルに採り入れているのはもはやヨギーやアスリートだけではない。グーグルやフェイスブック、ゴールドマン・サックスといったアメリカの名だたる大手企業が瞑想を社員研修に採り入れている。既にアメリカでは、瞑想はココロをリフレッシュし、集中力を高めるための有効な手段として広く浸透しているのだ。
メソッドもシンプルで、基本的には目を閉じて呼吸を整え、静かに考えるだけでいい。ただ、質の高い瞑想を行えるかどうかは、環境や経験がポイントになる。
メディーチャは「自分に余白をつくる贅沢な時間」をコンセプトに、瞑想にアートと煎茶文化を融合させた瞑想専用スタジオ。ビルの地下にある静謐な空間はどこか異国の神殿を思わせる。
まずは白い光に包まれた部屋で頭を空っぽにして、星空に包まれた暗闇の部屋でココロをほぐす。本番の瞑想は竹を組み上げて作られたドームの中で。ここで精油の香りを嗅ぎながら、オーディオガイダンスに従って瞑想を行う。締めは茶室をイメージさせる部屋で煎茶を味わう。
茶を飲み終わる頃には、ここに来る前と今の自分の変化に気付く。浅く速かった呼吸は深くゆっくりとして、ごちゃごちゃしていた頭の中は整理整頓されたように驚くほどフラットに。
え、仕事が忙しくて時間がない? いえいえ、そんなおじさんだからこそ、ここを訪れる価値があるのです。
メディーチャ
住所:東京都港区南青山5-3-18 ブルーサンクポイントC棟 B1
電話番号:03-3287-5519
営業:8:00〜22:30 月曜定休
4ステップメディテーション 1万2000円(80分)
https://medicha-jp.com 鈴木泰之=写真 加瀬友重、大関祐詞=編集・文 押条良太、小山内 隆、髙村将司=文