OCEANS

SHARE

柔らかに仕上げたハイエンドウォッチ

このほかの2本もパテック フィリップにしか作り出せない独自性が息づく。
パテック フィリップのクロノグラフの歴史を語るうえで、永久カレンダー搭載クロノグラフ、そしてスプリット秒針クロノグラフは外せない記念碑的なモデルであり、これまで有名オークションハウスの競売で驚異的な落札価格を記録している。
「永久カレンダー搭載スプリット秒針クロノグラフ Ref.5204」18Kローズゴールドケース、40mm径、手巻き。3559万6000円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109)
「永久カレンダー搭載スプリット秒針クロノグラフ Ref.5204」は、その名からも分かるように、永久カレンダーとスプリット秒針クロノグラフという、2つの超複雑機構を搭載したパテック フィリップが擁するグランド・コンプリケーションの最上位に立つモデルのひとつだ。
希少性はもちろんのこと、有無を言わさない造形美も相まって、コレクターズピースとして非常に人気が高い。
新たに登場したスレートグレー文字盤のモデルでは、肌馴染みの良いローズゴールドとスレートグレーの組み合わせや、あえて型押しでアリゲーター柄を施したカーフストラップを採用するなどの工夫によって、「超」がつくほどのハイエンドウォッチを柔らかな印象に仕上げている点が秀逸なのだ。
ローズゴールドによく馴染むスレートグレーの文字盤。
 

歴史と新鮮さを併せ持つワールドタイム

地球を24のタイムゾーンに分割するワールドタイムもまたパテック フィリップと縁が深い複雑機構のひとつだ。腕時計での初の製品化は1937年にまで遡る。
「ワールドタイム・フライバック・クロノグラフ Ref.5930」PTケース、39.5mm径、自動巻き。1155万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109)
「ワールドタイム・クロノグラフ Ref.5930」は、1940年代頃に製作されたユニークピースから着想を得てワールドタイムとクロノグラフを融合させた異色のコンプリケーションであり、これまでは手仕上げによる同心円状のギヨシェ装飾を施したブルー文字盤の18Kホワイトゴールドケースが展開されていた。
新作として登場したのは、グリーン文字盤のプラチナケースバージョンだ。流行色を押さえたダイヤルカラーもさることながら、プラチナ特有の輝きがこのモデルに新たな魅力を与えている。
鮮やかなに仕上げた新しいグリーン文字盤。
伝統と革新が息づいた3本のクロノグラフは、いずれもパワフルだ。さらに加熱しそうな高級時計ブームを読み解くうえでも、チェックしておくべき3本だろう。
 
[問い合わせ]
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
03-3255-8109
戸叶庸之=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。