そもそもなぜこんなマルチツール的なトレーラーをタコマの荷台で作ったのかといえば、トヨタのアメリカ法人スタッフが偶然タコマの荷台をトレーラーに使っていた人を見かけたからだという。
もともとタコマの強靱なプラットフォームはオーバーランディングに最適だと思っていたトヨタ。そこで見かけたのは、ここまでの多機能ではなかったと思われるが「これをタコマで牽引したら面白いじゃん。タコマを使えばボディは頑丈だし。しかも本職の僕らがやるんだったら……」という感じでタコマの荷台型ベースキャンプが生まれたらしい。
左はトイレを展開した様子。同じ囲いでシャワーも使えそう。右は引き出しの中に収められている発電機やシャワー。つまりプロが本気になって遊んだのが、このトレーラー。ご丁寧にタコマ純正色まである。
トレーラーなのにタコマと同じTRDのホイールが与えられ、オールテレインタイヤも履いている。もちろんタコマ以外でも、どんなトラックやSUVでも牽引できる。
電動で上下するリフトの上にはヤキマ製テント。知恵と技術を備えたプロに、本気で遊ぶ機会を与えてくれることになったSEMAショー。
今年は同様にオーバーランダーなモデルがいくつも登場しているが、こんなマルチツールというか、秘密道具みたいなトレーラーを展示したのはトヨタだけ。
スペアタイヤまで背負っている。ここまできたら、本気で遊ぶだけじゃなく、ぜひ本気で売ることも考えてくれないかなトヨタさん。
籠島康弘=文