アノラックで漁網問題解決への糸口を探る
――体にも地球にも気持ちの良い服……大事。相澤 なかでもこちらはイチ押しです!
――懐かしさを感じるデザイン!相澤 昔、パタゴニアで発売していたアノラックからインスピレーションを受けデザインされたイスマス・アノラックといいます。使っているのは「ネットプラス」という素材ですね。
――ネットプラス?相澤 漁網はこれまで寿命がくると、そのまま海に廃棄されていました。海洋汚染は世界的な問題として取り組みが進んでいますが、廃棄された漁網に年間65万トン以上の海洋生物が捕まり、怪我を負ったり、命を奪われているという現状はあまり知られていません。
――心が痛みます。なんとかしなければ。相澤 パタゴニアは同時に、海からだけでなく、海洋廃棄される前に使用済の漁網を回収し、有害な廃棄物が海に流出するのも防いでいるんですよ。
――素晴らしいですね。相澤 おそらく、今回を機にどんどん製品数も増えていくと思います。詳しくはスタッフの村山から。
村山 こんにちは。プラスチックは海の中にずっと残ってしまいますし、漁網はその最たる例なのですが、それをどうにかしたいということで、最初はこのサーフボードのフィンやキャップのツバの中材など、硬いものからリサイクルをスタートしました。
――ふみふむ。村山 でも、今では柔らかいナイロンも作れるようになったんです。これを作ったブレオという企業はパタゴニアが長くサポートしている企業で、今やネットプラスも他企業や他分野へも広まっています。今季はダウンやジャケットなど、ナイロン素材のアイテムに採用しています。
――背景を知ればより気持ち良く、愛着をもって着られますね。 3/3