エンジンで発電し、モーターでタイヤを動かす独自の駆動システム「e-POWER」を積んだコンパクトSUV、日産「キックス」。
その扱いやすいサイズや数々の先進機能から、都会派なSUVのイメージも強いが、それをガラッと覆す特別仕様車が登場した。
濡れたウェアのままでも乗り込めて、雪や汚れがついても気にならない、何よりアウトドアが格別に似合う「キックス コロンビアエディション」だ。
車名の通り、アウトドアブランドのコロンビアとの共同企画で生まれた特別なモデルだ。
例えばコロンビアのバッグにも使われている、耐水性に優れたコーデュラを使ったシートエプロンを、運転席と助手席に装備。ヘッドレストにかけるタイプだから簡単に脱着でき、収納袋もあるので、普段の街乗りとアウトドア使いをサッと切り替えられる。
さらにリアシートの背もたれからシートフロアにかけてもコーデュラナイロン製のカバーも備わり、濡れた服や汚れたギアをそのままゴソッと放り込める。当然こちらも着脱カンタンだ。
シートカバーの裏にあたるシートバックにはそれぞれ小物を入れられるポケットがいくつも備えられている。
このポケットは、コロンビアの代表作「マルチポケットフィッシングベスト」がデザインモチーフだから、使い勝手の良さについては言うまでもない。
あわせて、放射冷却素材を使ったサイドタープやサンシェードも用意。
従来品と比べてタープ内や車内の温度上昇を抑制することができる優れもので、キャンプで寛ぐときや、波乗りの際の基地としても重宝しそうだ。
ベースのキックスは、e-POWERによる燃費の良さだけでなく、一気に加速する気持ち良さがある。ブレーキを踏まなくてもアクセルペダルだけで加減速できるため、これからの季節は雪道だって安心して走りやすい。
もちろん遊び疲れた帰り道で、速度調整やステアリングのアシストまで行ってくれるプロパイロットも装備。
単にカラー変更やブランド名のバッチがボディを飾るだけでなく、大自然に戯れる大人たちのことを知り尽くしたコロンビアがしっかり内外装に手を加えた特別なキックス。
本体車両価格は297万円〜と決して“特別”ではないのがありがたい。台数は500台限定。乗りたい人はお急ぎを!
籠島康弘=文