部屋着と外出着の境界線が曖昧な今、大人に必要な服とは。これはロサンゼルス生まれのプレミアムカットソーブランド、スリードッツが今季秋冬コレクションのテーマに掲げたフレーズ。
なぜこのような提案にいたったのか。ブランドコンセプトをディレクションする池上浩二さんにその真意をたずねた。
「新生活の影響で、外出のためだけの服を売るのはもう難しい。その対応策として、我々は“ソトナカ需要”と呼んでいるのですが、家の外と中のどちらにも対応できるコレクションを強化しました。
単に楽な服を作るという意味ではなく、家でも外でも“ずっとこれを着ていたい”と思える服。いい素材だね、という感覚を凌駕する、圧倒的に心地いい手触りや着用時の感動を重視しています」。
またリモートワークやオンライン会議というワークスタイルが生まれたことも、服作りに大きな影響を与えている。リラックスできる着心地に加え“洗練された見た目”が今まで以上に求められるからだ。
「ジャケットとパンツのセットアップはまさに象徴的なアイテム。今私が着ているものも伸縮性と復元性に優れていてノーストレスなのに、きちんと見えるのがポイントです。
ジャケットまで必要としない人はスウェットタイプを選ぶなど、セットアップの需要は明確に増えました」。
しかし、上下スウェットは一歩間違えるとラフな寝間着に見えるという危険性を孕む。外で着るのをためらう人もいるだろう。
だがスリードッツのセットアップはその壁をいとも簡単に越えているように思う。そこにはどんな秘密があるのか。
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