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2021.11.12

ファッション

ゴアテックスに詳しくなる10問10答「最初にゴアテックスを使ったブランドは?」

ネームバリューゆえの信頼感と安心感が先行しがちだが、その成り立ちや特性を知ればゴアテックスの有用性は格段に増す。
そこで日本ゴア社の伊藤由里子さんにゴアテックスのあれこれを教えてもらいました!
 

ゴアテックスに詳しくなる10問10答

Q1. ゴアテックスはどのようにして誕生したのですか?

世界で初めてフッ素樹脂の合成ポリマー(PTFE)を発見したデュポン社に勤めていたビル・ゴアが独立し、妻のヴィーヴとともに会社を立ち上げたのがゴア社の始まり。その素材の可能性を追求し、実際に今日のゴアテックスの原型をつくったのは彼らの息子、ボブ・ゴアだった。
「それまではただの塊でしかなかったPTFEが、特殊な条件の下だと伸ばせることを発見したのが彼でした。均一な厚みでフィルム化できたことで、これを膜として使えるのではないかと研究が進んだことが、今日に続くゴアテックスメンブレンが生まれた背景です」。

Q2. 何でできているのですか?


ゴアテックスファブリックは化学製品なのだが、テクノロジーの要になっているメンブレンは意外にも天然の鉱物である蛍石というものからできている。
「これはメンブレン自体というより、その元となるフッ素自体の話なのですが、ある手法を使って蛍石からフッ素を抽出するんです。だから、ゴアテックスメンブレンの原料はもとをたどれば石ということになりますね。このフッ化樹脂は劣化が少なく、適切に扱えばその性能は長続きします」。

Q3. なぜ水を通さないのですか?


写真のようにゴアテックスメンブレンは肉眼で見ると薄くて白いただのフィルムだが、電子顕微鏡で見てみると小さな隙間が連続してできていることがよくわかる。この多孔質構造が、ゴアテックスの要である防水・透湿という特性を生むというのだ。
「この隙間は水滴よりも小さく、水蒸気分子よりは大きい。だから水は通さないけれど、水蒸気は通過する。つまり、防水・透湿になるわけですね」。
同じ水でも、液体か気体かでその性質は異なる。そこに着目し、的確に利用するというのがゴアテックステクノロジーの根幹にあるアイデアなのだ。

Q4. 初めてウェアに使ったブランドはどこですか?

メンブレンとして使われているポリマー「延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)」の特許をゴア社が取得したのが発見の翌年、1970年。ただ、それが初めてウェアに採用されるのはもう少し先のこと。
「1976年の春夏シーズン、ほぼ同時に複数のブランドからゴアテックスファブリックを使ったウェアが発表されています。当時あったアーリーウィンタースとシナジーワークスというふたつのアウトドアブランドと、マーモットの3社です」。
やはり最初に価値を見いだしたのは、機能性を追求するアウトドアブランドだった。ここから快進撃が始まるというわけだ。

Q5. 2レイヤー、2.5レイヤー、3レイヤーとは何ですか?

通常ゴアテックスメンブレンを表地と裏地とで挟み、ラミネートするかたちで生地となり、それを使用することでウェアとなる。この構造が3レイヤーと呼ばれるものだ。
「ただ、用途によっては軽さや透湿性、収納性がより重要視されるので、そんなときには表地とメンブレンだけをラミネートする2レイヤー構造が採用されます。
トレランなどに適したシェイクドライという技術があり、これはメンブレンに裏地だけをラミネートした特例。“2.5レイヤー”は裏地を省くため、表地にラミネートしたメンブレンの裏にコーティングを施したもの。ゴアテックスパックライトなどがそれに該当します」。


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