【2足目】ナイキ「エア ジョーダン 6」
続いて落合さんが手に取ったのは、「エア ジョーダン 6」だ。
ナイキのバッシュがハイテク化への道を歩み始めた最初のモデルであり、マイケル・ジョーダンが初めてNBAのファイナルでマジック・ジョンソン率いる「ロサンゼルス・レイカーズ」を破りチャンピオンリングを獲得したときのモデルでもある。
日本のストリート誌がこぞってエア ジョーダンシリーズを取り上げ始めたのもちょうどこの頃だけに、きっとオーシャンズ世代にとっても印象深いモデルではないだろうか。
ただ、我々が思い描いているものと一線を画すのは、シューズの全面にバスケ漫画の金字塔『スラムダンク』のイラストが大胆にあしらわれていることだろう。
「これは『スラムダンク』とのコラボですね。漫画をお好きな方なら覚えているかもしれませんが、エア ジョーダン 6は主人公の桜木花道が履いていたモデルです」。
当初バスケ素人の桜木花道は、履いていた体育館シューズが壊れてしまったため、バスケットシューズを購入することに。そこで手にしたのが「エア ジョーダン 6」である。
ファンの間ではお馴染みのスポーツショップ「チエコスポーツ」の店長から「中古だからまけてくれ。30円で」と理不尽な理由でゲットする名シーンは、今見ても微笑ましい。
「やっぱり避けては通れないバイブル。『スラムダンク』のいろいろなシーンが自分のバスケに影響している部分はあると思います。もともとエア ジョーダン 6は好きなんですけど、これは日本人としての誇りを持ちながら履ける一足だと思うんです。
なにせ、世界に誇る日本の漫画ですからね。海外に履いていくと、スニーカーマニアが『おぉ、ジョーダン 6のスラムダンクモデルを履いてやがる!』となる。スニーカーショップへ行けば、『ナイスキックス!』とか『クール!』とか言ってくれますよ。
僕は、テレビに出演するときによく履いていますね」。
改めてスニーカーと漫画は国境を越えることを実感する。「3×3」で世界を股にかけ活躍してきた男の言葉はやはり重みが違う。
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