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【3足目】ナイキ「エア ジョーダン 12」


ラストを飾るのは「エア ジョーダン 12」。2013年に購入したというこちらは、アウトソール裏のカーボンとのコンビがニューヨーク市内を走っているタクシーを連想させることから、通称“タクシー”とも呼ばれる。

「ジョーダンは一度NBAから距離を置くのですが再び復帰し、それから3連覇を達成します。そのちょうど2回目の優勝を果たした’97年に履いていたモデルですね」。
’97年のユタ・ジャズとの激しい攻防は、NBAファイナルの伝説的試合として広く知られている。マイケル・ジョーダンの神がかったプレーはもはや語り草だ。
ただ、落合さんにとっては今なお続く“かけがえのない出会い”を生んだシューズでもあるという。

「ふと、NBAでジョーダンが活躍していた頃のモデルをどうしても手に入れたいと思ったんです。
当時、そこまでスニーカーを買い慣れていなかったので、どこに売っているのかと思い“ジョーダン 12”、“タクシー”と打ち込みネットで検索しました。そこで、一番トップにあがってきたスニーカーショップが、上野にある『山男フットギア』でした」。

「在庫を確認したところ、ちょうど電話に出たのが社長さんでした。でも、そのときはもう売り切れて在庫がなかったんですよね。足のサイズが30cmですし、まあ、ないよな~と半ば諦めていたんです。そしたら、お店から電話がかかってきて『たまたまキャンセルが入って1足戻ってきました!』と。

たとえ1足戻ってきたとはいえ、掛け直してしてくれることってそうそうないじゃないですか。それで、実際にお店へ買いに行ったら店員さんが僕を知っていてくれたんですよ。
当時、プロじゃないんですけどストリートバスケのイベントにはちょくちょく出ていて、“ワーム”というニックネームで活動していました。そしたら、『わっ、ワームだ!』と。すごくありがたいですよね。山男さんには今もお世話になっています」。

「スニーカーの一つひとつに時代的背景や素敵なエピソードがある。それらをすべて知ったうえで僕は履きたいんですよね」と落合さん。
そうして選んだエア ジョーダンシリーズの厳選3足。そこには、長きにわたり同シリーズと共に歩んできた彼独特の目線とこだわりが感じられて面白い。
次回は、「バッシュの偏愛コラボ編」をお届けするので、こちらもお楽しみに。
川西章紀=写真 菊地 亮=取材・文


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