東京五輪で新競技の3人制バスケ「3×3」に出場し、チームを決勝トーナメント進出へ導いた立役者、落合知也さん。
実は、無類のスニーカー好きとしても知られ、自他共に認めるナイキマニアだ。(スニーカーの所持数は、なんと450足超え!)
そんなプロアスリートであり、ストリートシーンもよく知る落合さんに、機能やデザインの観点から「イケてるバッシュ」を紹介してもらう本企画。
全3回の第1回は、言わずと知れたナイキの名シリーズ「エア ジョーダン」に焦点を当て、思い出深いエピソードと共に推しの3足を教えてもらった。
【1足目】ナイキ「エア ジョーダン 2」
開口一番、「エア ジョーダン 1がめちゃくちゃ好きでおそらく50足以上はあると思います」と、目を輝かせながら話す落合さん。
となれば、やはり一足めは……と思っていたら、なんと予想外の「エア ジョーダン 2」をセレクト。
「シリーズの中でも『2がいちばん好き!』という人はなかなかいないんじゃないですか(笑)。履いている人もあまり見かけないですしね」。
確かに、メジャーな「1」や「3」、「7」などと比べるとやや影が薄い印象はある。
「みんなが注目しないシューズにそそられるっていうのも1つの理由ですが、実はシーンに登場した1987年は、僕の生まれた年でもあるんです。それだけでもグッとくるものがありますよね。
これは当時の復刻版で“シカゴホーム”という、マイケル・ジョーダンがシカゴ・ブルズのホームアリーナ、ユナイテッド・センターでプレーする際に履いていたものと同じ配色なんです」。
スウッシュがないモデルとしても知られる「エア ジョーダン 2」。しかも、最高品質の素材を使い、バスケットシューズをエレガントに仕立てたところがキモである。
落合さんもそのあたりは織り込み済みで、ファッション的であることも理由に挙げる。
「プレミアムレザーやイグアナのフェイクレザーを取り入れて製作しているんですよね。だからなのか、“バッシュ”なのに超洒落ている。
僕はこのデザインがすごく好きなんですよ。イタリアのちょいワル親父が履いてそうな感じ(笑)。ハイブランドの服と合わせても遜色ない佇まいですよね」。
エレガントと洗練を意識したエア ジョーダン 2は、その上質なレザーが結果的に堅牢性を生み、さらに快適性も担保した一足になった。これは紛れもない影の名作なのである。
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