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2021.11.12

ファッション

機能素材を日常に落とし込む「ナナミカ」の“ジャストスペック”な服作り

ナナミカの服といえば、人気のザ・ノース・フェイス・パープルレーベルを筆頭に、ゴールドウインとの協業による多彩なファンクションに目がいきがちだが、実はパターンなどの細かな配慮も行き届いている。
例えば、椅子に座ったときに前傾姿勢で背中が露出しないように後ろの着丈を長く設定したり、襟腰をルーズになりすぎない高さに設定したりと、随所に丁寧さが感じられる。
求めたのは“ジャストスペック”。ハイレベルな機能素材を日常に落とし込む「ナナミカ」の服
一見シンプルな白シャツ&デニムも、前述の「カバーリングコアヤーン」を使用。軽やかなのに風合いはとても豊か。ともにゆとりのあるシルエットで、リラックス感のある着こなしが可能に。シャツ2万3100円、デニム2万3100円/ともにナナミカ(ナナミカ 東京 03-5728-3266)、Tシャツ1万450円/ジェームス パース(ジェームス パース 青山店 03-6418-0928)
ナナミカ 代表取締役
本間永一郎さん

1960年生まれ。ゴールドウインでマリンやアウトドアのブランドを担当したのち、現ブランドディレクター、今木高司さんらとナナミカを設立。ザ・ノース・フェイス・パープルレーベルのヒットを機に、世界的人気を獲得。ヨットを趣味とする海男。
「具体的にビジネスでの着用を意識したのは、10年ほど前。ユーザーにカタカナ職業の方も多くいらっしゃって、着方次第では仕事でも使えるカジュアル服を作り始めたんです」。
このように、今でこそオンとオフの境目を縦横無尽に往来するように映るが、当初からそれは視野に入っていたのだろうか。
「自分の日常生活に必要なスペックがあれば、それでもう十分。これからは高機能というコンセプトを守りながら、天然の風合いを活かせるアイテムも増やしていきたい。再生素材やオーガニック素材へのコミットも欠かせませんね」。
「創業当時は、ビジネス着用について具体的には考えていませんでした。けれど、今から35年ほど前。仕事でヨーロッパを訪れた際、お堅いはずの銀行員がポロシャツを着ていたことに衝撃を受けました。そのとき、いつか日本のワークスタイルももっと自由に、ゆるくなる時代を夢見たのは確か。
日本人は、洋服を着るようになって150年くらいの、まだまだひよっこ。スーツとそれ以外、というような感覚で、その合間を埋めるような存在は少なかった。それを考えると、洋服に対して僕らができることはまだあると感じています」。


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