ユニクロとの共業で踏み出した次なる一歩
「レディスも手掛けていますが、僕自身は、男性服を構わず着るようなニュートラルな女性のファッションが素敵だと思っています。
ファッション一辺倒ではない、バックグラウンドが滲み出るように感じるんです。ユニクロとならば、そのあたりを表現しやすいという感覚があります」。
子供服に関してもデザイナーであり、父でもある相澤さんの思いが反映されている。
「以前から、子供服を作りたいと思っていました。オーシャンズ読者ならわかっていただけると思いますが、子供服って、実際あまりお金がかけられないじゃないですか。でも、ユニクロは子供服でも今どきのシルエットで素材も価格も優秀なんですよ。
また、僕ら世代ならファッションから少し遠ざかっていた男性もいると思います。ユニクロが掲げるライフウェアというコンセプトのなかに、僕のホワイトマウンテニアリングが入っていたら、女性服や子供服を通じて、もう一度ファッションに興味を持ってもらえるかなという思いもあります。自分のブランドだけで裾野を広げることはできませんから」。
多様なプロジェクトの中で、実践を通じて服作りに還元する。ボーダーレスな行動力もまた相澤さんの服が支持される理由といえそうだ。
芹澤信次=写真(人物) Taichi=写真(取材) 菊池陽之介=スタイリング 竹井 温(&’s management)=ヘアメイク 髙村将司=文