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「Go To VOTE」始動

衆議院の解散が決まった10月14日、「Go To VOTE」の開催を発表した。すると、スタッフのSNS投稿などからその輪が広がり、すでに多くの場所でポスターの掲示も始まった。

メインアートワーク。(上)「黒ひげ危機一発」からインスピレーションを受けた作品(下)2021年の「1」を「捨てるのか、拾い上げるのか…」と含みをもたせ選挙後への期待を込めた
無料のポスターは遠方への郵送にも対応。TシャツとステッカーはECでも販売している。選挙期間中は多くの人を巻き込みながら積極的に発信していく姿勢だ。ただ一方で、「壁紙画像」など、オンラインで拡散するためのビジュアルの配布は行っていない。投票は、リアルな場で生身の人間が行う行為だからだ。
ポスターを掲出する中川政七商店奈良本社の様子
「コロナ禍では、飛沫防止の観点からリアルな場所で声を張り上げることができなくなりました。Twitterなどオンライン上のほうが、意思表明の主戦場になっている感がありますよね。今後、オンラインでしか意見が言えなくなる社会になってしまうのでは、という危惧もあります」(山田)

「身体を動かす」ことで当事者に

古谷は、Tシャツを着たりポスターを貼ったりと、少しでも「身体を動かす」ことで、当事者意識が芽生えると考えている。「デザインが好きでTシャツを購入したけれど、せっかくだから選挙に行ってみようかな」などと、行動につながることを期待する。
「選挙って、情報を集めて、判断して、投票所に足を運んで投票して、と実際に自分自身の頭や身体を動かさないといけない。僕自身の中にも、考えるのは面倒だなという気持ちもあります。党首討論会を聞いても、それが本当なのか嘘なのか判断できないこともある。でも、例えば若者の投票率が上がってその声が大きくなれば、それだけでも意味があります。だからこそ、多くの人の背中を押せる“きっかけ”をつくりたい」
モデルには、「百万年書房」の北尾修一と娘の青を起用。青はこの夏に18歳となり、今回が初めての選挙だ
日本では、アメリカのように公で意思表明をする人は多数派ではない。それよりも、「(投票先を)失敗したくない」とか「投票しても何も変わらない」というネガティブな気持ちを持つ人が多い。
「例えば高校で、“文化祭なんて参加したくないです”と言う生徒がいたりしますが、皆さんそういう感じなのかなと。でも、クラスTシャツを着たらちょっとやる気になった、とか、そういう気配を生み出せればいいなと思っています」(古谷)
「Go To VOTE」はひとつの実験でもある。「この取り組みで少しでも選挙に行く人が増えればいいし、そうでないとしても『次は何をしようか』とまた考えて、積み重ねていきます」(山田)
ポップアップストアは10月30日まで。
 
北本祐子=文
記事提供=Forbes JAPAN


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