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2021.11.01

ライフ

会社で「なりたくてなったわけじゃない」リーダーが現場から距離を取られる問題の解決策

「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは……
40代、リーダー世代。今までになかった悩みやモヤモヤが増えてきたけれど、反比例するかのように相談できる相手が減ってきた……。
そんなオーシャンズ世代の仕事の悩みやモヤモヤに、組織と人事の専門家が答えます。


本日の相談者:42歳、マスコミ勤務
入社して20年、気がついたら部署の中でも年上の部類になっていました。尊敬する部長が「次はお前に頼んだ」という言葉を残して異動になり、自分が10人の部門を束ねる立場になりました。
すると、それまで同僚だったメンバーが突然、距離をとりはじめたのです。自分がなりたくてリーダーになったわけじゃないのに、すごく複雑な気持ちです。

アドバイスしてくれるのは……

そわっち(曽和利光さん)

1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。

 

日本人は出世したくない人が多い


パーソル総合研究所が2019年に実施したアジア太平洋地域の主要な14カ国で行った調査では、日本人の出世意欲(「管理職になりたいか」)は断トツの最下位でした。
1位インドが86.2%、2位ベトナムが86.1%、3位フィリピンが82.6%と、軒並み8割以上の人がYesと答えているのに、日本人は21.4%しかいなかったのです。そう考えると、嫌々リーダーをやらされて、本稿のタイトルのような悩みを持っている人がいるのもさもありなんとも思えます。
しかし一方で、厚生労働省の調査によると、従業員に対する比率は部長でおおよそ3%、課長で7%と実は意外にもかなり少なく、平均すると実質的には10%程度の人しか管理職にはなれない
つまり、日本人は2割の人が管理職≒リーダーになりたいと思っているのに、10%しか実際にはなれないという「倍率2倍」の状況ということです。
そう考えると、リーダーが自分に向いているのか、やりたいのかを考えすぎずに「まずは試してみる」のがよいのではないかと思います。
 

なぜ「距離を取られる」のか


さて、とりあえずリーダーになることに前向きになったとして、次に来るハードルが今回の「現場から距離を取られる」問題です。そもそもなぜリーダーは距離を取られてしまうのでしょうか。
最大の理由は、リーダーとは「多くの人がなりたくないと思っているものになった人」だからです。「そんなに人の上に立ちたいんですかね」などと冷ややかな目で見られてしまう。
また、リーダーになってしまうと「メンバーの前できちんとしなければ」とか「リスペクトされなくては」とか、どうしても気張ってしまうものです。
リーダーひとりが孤軍奮闘しようとすればするほど、情報不足の中で決断ができなかったり、おかしな方針を打ち出したりしてしまうのです。


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