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入眠後、なるべく早くノンレム睡眠に入るのが理想!

──なぜ、入眠後30分以内に深いノンレム睡眠に入る必要があるんですか?
それは入眠後すぐのノンレム睡眠中が最も効率よく成長ホルモンを分泌するからです。
個人差はありますが、例えば夜10時〜朝6時まで眠ったとします。入眠から時間が経過した明け方に最初のノンレム睡眠に入ったとしても、1日の50%に当たる成長ホルモンは分泌されない場合があるのです。
大事なのは、入眠2時間以内にノンレム睡眠に入ること
また、思考の整理や記憶の定着のために、浅い眠りであるレム睡眠も大切なんです。短時間しか睡眠時間が取れない方のノンレム睡眠とレム睡眠とのリズムを考えた場合、少しでも早くノンレム睡眠に入ることが理想的なわけです。そのひとつの目安が、入眠後30分以内ということになります。
──入眠後30分以内にすんなりとノンレム睡眠に入れるようになるものなんでしょうか?
最初から30分以内にノンレム睡眠に入れない方でも、この後に紹介する「濃縮睡眠」メソッドを実践していくうちに、個人差はありますが、入眠2時間後だったのが1時間半後になり、40分後になりというように、ノンレム睡眠に入るまでの時間を短くしていくことができます。
 

「濃縮睡眠」で脳疲労も解消!

──入眠2時間以内の睡眠の質を高めれば、成長ホルモンが十分に分泌され、ノンレムとレム睡眠のバランスが保たれやすくなるんですね。
その通りです。でもそれだけではありません。脳疲労の回復という観点からも、深い睡眠が重要です。
ビジネスパーソンの多くは、体よりも脳を酷使して、脳疲労を起こしています。脳疲労が溜まっていると判断力や集中力が鈍くなり、決断ができず、同じ仕事をするにも効率が悪くなってしまいます。
下記のチェックリストを確認してみてください。
□朝の目覚めが悪い
□日中に眠気を感じる
□集中力が下がりミスが多い
□すぐにイライラする
□熱中していた趣味に興味がなくなった
どれかに当てはまる人は、脳疲労を溜め込んでいる可能性が高いと言えるでしょう。
──脳疲労を取り去るメカニズムは?
入眠後、ノンレム睡眠に入ると、脳内老廃物の除去機能であるグリンパティックシステムが活発に働きます。
<日中の脳の状態>

<ノンレム睡眠中の脳の状態>

図上の日中の脳は、神経細胞やグリア細胞(神経細胞以外の細胞の総称)などで埋め尽くされ、リンパの流れが緩やかで、疲労物質などの老廃物も溜まりやすい状態にあります。
ところが、図下のように、ノンレム睡眠に入るとグリンパティックシステムが活性化し、グリア細胞がギュッと縮まり、リンパの通り道を作ってくれるんです。すると、老廃物をしっかり排出することができ、脳疲労が解消。翌朝の目覚めもスッキリして、日中のパフォーマンスも上がります。


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