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■トヨタ ランドクルーザー90系

トヨタ ランドクルーザー90系
ランドクルーザー90系。全長は3ドアが4240mm、5ドアが4675mmとハチマルよりはグッとコンパクトなランドクルーザー。3ドアは上記5ドアと異なり丸目のフロントライトが備えられた。
アウトドアではなくレジャー需要と呼ばれていた1980年代、ランドクルーザーに誕生したのが、ヘビーデューティな70系のショートボディをベースとした「ランドクルーザーワゴン」だ。
当時すでにランドクルーザーの名声は世界中に轟いていたが、そんなランクルをもっとカジュアルに楽しめるモデルとして設定された。
上記の高級SUVの道を歩むハチマルとは別の道を踏み出したこの系譜のモデルには、1990年に「プラド」のサブネームが与えられた。
バックドアは横に開くタイプ。標準ボディと、フェンダーが膨らんだワイドボディの2種類があった。写真はイギリス仕様の3ドアモデル。
このプラドの2代目として1996年に登場したのが90系だ。
3ドアのショート(5人乗り)と5ドアのロング(8人乗り)があり、3.4Lガソリンエンジンや2.7Lガソリンエンジン、3Lディーゼルターボエンジンが搭載された。
また4WDシステムも従来のパートタイム式からフルタイム4WDとなり、街乗りから悪路まで一気に走れるようになった。
センターコンソールには方位/傾斜/外気温/気圧/高度を表示するフィールドモニターが備えられた。
カジュアル、という意味は悪路走破性がカジュアルになるのではなく、むしろ世界レベルのランクルの性能を手軽に楽しめるようにしたということ。
だから多くの人が乗りやすいようサイズもコンパクトだし、新車時価格も当時のステーションワゴン系譜の100系と比べてざっと100万円安かった。
全長約5mという堂々としたサイズのハチマルに比べ、90系は5ドアでも現行型ハリアーとほぼ同じ、3ドアはカローラクロスよりも小さいから街乗りも楽勝だ。
最近はハチマル同様に注目を集めていて、中古車の平均価格は約210万円と、90系の後継モデルである120系よりも高いが、それでも現行型プラドより安い。
さあ300系の納車待ちの間に、80系と90系、どっちを選ぶ?
 
籠島康弘=文


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