欲しかったのは、カルチャーを感じさせるFUNなウェア
走ったときの格好のまま、美術館に立ち寄ったり飲食店の暖簾をくぐるのがいつものスタイル。そこで感じていたのは、しっくりくるウェアがないことだった。
「特にカルチャー系の要素があるランニングウェアに、自分たちが好きなテイストのものがないよなって。そこで友人のデザイナーと一緒にブランドを立ち上げることにしました。
名前を『ランセム』というのですが、自分は企画とディレクションの担当。今は最初の受注を取っている段階で、来春あたりからのデリバリーを考えています」。
今回着用してくれたTシャツとタイツは、そのランセムの最新サンプルで、Tシャツは毎シーズン、アーティストとコラボレーションしたグラフィックを仕込んでいく算段だ。
「Tシャツはファンランナーに向けて、カルチャーっぽいノリのデザインと、ストリート要素のあるグラフィック使いを意識しました。またパターンも体のラインが出ないよう、やや大きめにしています。
タイツを作るのは思いのほか大変でしたね。冬場のランでは必需品ですし、ランニングウェアを象徴するアイテムなのでぜひラインナップに加えたかったのですが、伸縮性のある生地はいざ仕立てようとすると、縫製のコントロールが大変でした。
こちらもグラフィックデザインを乗せ、使い勝手の面ではスマートフォンのポケットが設けられているのがポイント。また、肌に直接当たらないよう、縫い目が外側に来るよう仕上げました」。
元服飾業界人だからこそ成せるワザ。今から本格デビューが楽しみだ。
3/3