その⑤ 世界中のどんな僻地でも、これさえあれば
最後におまけをひとつ。
キャンプのギアをミニマムに抑えたい方や、キャンプではあえて不便も楽しみたい方には、アルコールバーナーも選択肢となる。なかでもトランギアの「アルコールバーナー」は、その代表格だ。
燃料は風や低温に強い液体アルコールを使う。ガスが手に入らない島や僻地でも燃料が手に入りやすく、シンプルな構造で故障しづらいため、世界中の冒険家や軍の装備に採用されてきたバーナーだ。
使い方は、2/3ほど燃料を入れて着火するだけ。円状に配置された小さな穴から美しい炎が立ち上がる様は、なんとも言えず美しい。
当然、利便性はガスバーナーには及ばない。しかし、ギア好きにはたまらない独特な魅力がある。
ちなみに、この10年ほど日本では多くのガレージブランドが個性的なアルコールバーナーをリリースしてきたが、トランギアのこのバーナーこそがそれらすべての原型であることは言うまでもない。
「Camp Gear Note」90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。
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