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製品開発からビーチクリーンまで「今できる取り組み」を実践

ブランドのアイコンであるロープ。アウトドア用ロープを生産する工場にオリジナルのものを発注している。
NLPの作るアイテムは「職人の技術とサステイナブルな素材の結晶」と言い換えることができる。職人の技術を具現しているのが、ブランドのアイコンであるロープとメタルパーツ「R&W テンショナー」だ。
ロープを緩めると可動し、引っぱると留まる自在金具もオリジナルで製作。金型から抜いたあとに、一つひとつ手作業で角度をつけて曲げていく。
ロープはナイロン製の芯材を使用し、表面はかせ染め(※1)したナイロン糸と蓄光糸でオリジナルの柄を編む。耐久性に優れたしなやかな風合いのロープである。
メタルパーツはテントやタープなどに使われる自在金具をベースに製作。軽量かつ強度の高いアルミ素材となる。ロープもメタルパーツも、ともに高い技術力を持つ日本の工場で生産されている。
収納力抜群の「エコキャンバスシリーズ」のオーバル型バックパック。背面側の独立したファスナーポケットはノートPCや書類などを収納するのに便利。H44×W30×D16cm 3万9600円/ニューライフプロジェクト(にしのや 03-6434-0983)
一方サステイナブルな素材の代表が、「エコキャンバスシリーズ」の生地。コーデュラ糸と再生PET糸で織られ、摩耗、引き裂き、擦り切れに強い。つまり長持ちする生地なのだ。
またブランドネームや裏地、テープは再生PET糸100%。ファスナーは再生ポリエステルから作られたYKKの「ナチュロン」を採用する。商品により比率は異なるが、40〜60%の再生素材で作られている。
そして近年の環境問題において特に注目されているマイクロプラスチックについても、その実体験を製品作りに反映させている。
ブランドとしてビーチクリーン活動に参加している。場所は主に湘南・茅ヶ崎のビーチだ。
「海洋プラスチックのなかでもマイクロプラスチックの問題は本当に深刻。我々はおもに茅ヶ崎でビーチクリーン活動に参加していますが、大きなゴミはあまりない。目につくようなゴミは地元の方やいろいろな団体が常に回収してくれていますから。
でもちょっと砂を掘り起こして水を張ったバケツに入れると、細かいプラスチックがたくさん浮いてくる。この現実は重いです」(五藤さん)。
[左]ストアバッグタイプのトート。ポリエステルやナイロンを用いながらもコットンのような風合いを実現。撥水、防汚、帯電防止加工が施されている。H43×W33×D4cm 1万5950円、[右]ビーチクリーン活動で回収したペットボトルを原料に用いた「オーシャンシリーズ」のショルダーバッグ。H45×W45×D6cm 1万5950円/ともにニューライフプロジェクト(にしのや 03-6434-0983)
こうした実体験を経て今年6月に登場したのが「オーシャンシリーズ」のバッグ。
ビーチクリーン活動によって回収したペットボトル11%と、リサイクルPET89%を原料としたポリエステル生地がメイン素材だ。水平線を表したかのような、潔い切り替えのデザインが特徴だ。
「マイクロプラスチックの問題は突き詰めると、世の中のプラスチック製品をすべて廃止しない限り根本的に解決しません。でもプラスチックに代わるものが今すぐ現れるわけじゃない。だったら今できるサステイナブルをいち早くモノ作りに活かしていきたい、と考えているんです」(薩本さん)。


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